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高度にコンピュータ化された印刷機のメンテナンスの考え方

掲載日: 2010年07月12日

技術水準が高くなった印刷機でもメンテナンスを疎かにできないことは今も昔も変わっていない。これには印刷会社とメーカーの手法をうまく融合させることが大切だ。

 

印刷機は高度にコンピュータ化されその技術水準は非常に高くなっており、多くの印刷会社でそうした印刷機を導入している。コンピュータ制御された印刷機の性能を十分に発揮させるためには、当然のことながら機械のメンテナンスが必要だ。印刷機械メーカーが定期的なメンテナンスプランを提案し、機械ごとに点検項目を設けたサービスをしていることも多くなっている。このねらいは、機械ごとの個別の点検内容を決めてオペレーターのスキルの違いによるメンテナンス格差をなくした予防保全だ。一方、印刷会社でもいろいろな問題がありながらもメンテナンスに積極的に取組んでいる会社も多い。

たとえば、組織改革に伴い技術部門を復活させ電気系統、機械系統とそれぞれの専門家を置いたり、また、ある会社では生産技術チームを設置して機械ごとにカルテをつくり「印刷機の健康診断」を行い、刷り上ったもののドットゲイン・ベタ・ダブリ等を毎日計測して印刷機の状態を常にチェックする体勢をつくっているところもある。
印刷機はいろいろな消耗品や材料を使うためその調整は微妙で、さらにゴミや紙粉などの汚れも頻繁に発生する。メンテナンスには最低限のコストは掛けるべきだ。もし、メンテナンスをしないで事故が発生したときに必要な労力とメンテナンスに要した労力を比較すると、長期的に考えると定期的なメンテナンスをしているほうが良い。

ある印刷機械メーカーによると、今収益を上げている印刷会社は内部メンテナンスの体勢が確立されているという。こうしたところはメーカーからのサービスをその体勢の中の一環として捕らえている。すなわち、メーカーからのサービスと自社のメンテナンス手法をうまく融合させていくことが品質の維持管理にとって重要である。
(教育サポート部)

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