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7/16に開催されたクロスメディア研究会定例セミナーは、Web構築に関する全2回シリーズの第1回目で、テーマを「Web構築ビジネスの知識を再確認する」とし、ブランディング、顧客視点、企画・提案について学んだ。講師は、株式会社キノトロープの福井幸子氏と、ヴァージョン・ゼロドットナイン株式会社の渡辺泰夫氏。
始めに、「クライアントに求められるWeb制作会社とは」をテーマに、キノトロープ福井氏よりご講演いただいた。
現在、Web制作会社は大小含めて約2000社存在し、さらにフリーランスや兼業企業を含めると、さらにその数は膨れ上がる。このような状況でクライアントに選ばれるために、キノトロープでは「ユーザ視点でWebサイトを構築する」ことにポイントを置いている。
クライアントのWebに対する考え方は「あればよい」から「成果を求められる」へと変わった。ユーザの志向、ニーズ、目的も、千差万別となってきた。Webサイトは、答えを求めてやってくるユーザの問題解決ツールであり、満足を体験として提供することができるメディアなのである。
それを実現するためにキノトロープでは「ユーザシナリオ」という考え方で、リアルな体験とWeb体験を連動させるようなWeb構築の手法を用いている。企業と人が接するポイントを探し、どの接点でも同じようなレベルのサービスが行えるWebサイト作りが重要だということだ。
次に、ヴァージョン・ゼロドットナインの渡辺氏より「企画・提案力の磨き方」「ベストプラクティス」などをテーマに、ご講演いただいた。渡辺氏によると、企画・提案力を磨くためには、まず考え方を変えていく必要があり、ポイントは、
・従来のマーケティングに頼らない
・自分がよいと思えないものは作らない
・手掛ける企業や商品で、自分自身が好きになれる要素を探す
ということだ。
またいい仕事をするためには「下請けと元請け」ではなく、クライアントと本音を言い合える関係性を構築することが不可欠だ。そうでなければ、よりよいものづくりは生まれない。一旦関係を構築できたクライアントとは、一緒にアイデアを考え、解決策を導くことができるようになる。一緒にものづくりをしていける関係性をどう築くのか、それがいい仕事をする第一歩だ、ということだ。