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バリアブルプリントで差を付けよう

掲載日: 2008年12月05日

可変データ印刷では、顧客データをコントロールできる、データ管理できることがビジネスのポイントである。

可変データ出力とバージョニング対応

郵便会社や運輸会社が現在大きく力を入れていのが、宛名なしで配達地域だけを指定してDM などを配達するサービスである。指定した地域の全戸に荷物を届けることができるので、新規顧客獲得やエリアを絞ったアプローチに適する。

顧客企業では通常のDM や折込チラシとは違う媒体として、生活者の来店促進や販売促進に役立てることができる。このようなDM などを印刷するにためには、デジタル印刷機の可変出力機能を利用して地区ごとに異なる目印を入れるなどの、バージョニング出力が必須である。これによって、広告配布の効果を測定することができるようになったのである。

可変データ出力と ワン to ワン対応

パーソナライズやバージョニングといった、可変データ印刷では、顧客データをコントロールできる、データ管理できることがビジネスのポイントである。日本ではDM のパーソナライズというと相手の名前や担当者の顔写真を入れることを思い浮かべる。しかし実際に効果があるのは、「今、自分にとって最も関心を持っている情報が載っている」ことで、名前や顔は重要ではない。

米国のある印刷会社では、15 拠点を持つ車のディーラー向けWeb to プリントの販促システムを提供している。Web 上のテンプレートからディーラーの営業マンが入稿して車の所有者に送るDMのコストは1 部3.75 ドルと決して安くはない。

ビジネスのポイントは、来店客の単価は330 ドルになるという結果(ROI)を常に報告する仕組みである。ディーラーの営業マンがDMを出す時は、印刷会社が提供するWeb 画面で顧客へのコメントなどを入力して、送信ボタンを押すだけで、印刷会社はパーソナライズDM を作成して発送する。そのDM を持った来店者の売り上げ情報を営業マンが同じくWeb 入力することによって、ディーラー本部の担当者がDM の費用対効果(ROI)を確認できるようになっている。

デジタル印刷と印刷付帯サービスがキーになる

米国の印刷業界では単純な印刷(Ink on Paper)の成長の時代は終わり、今後伸びが期待されるのが、デジタル印刷と印刷付帯サービスのセットである。日本の印刷業界が進めている業態改革でも、顧客志向によるワンストップサービスを求めており、デジタル印刷機のバリアブル出力機能を生かすためのアプリケーションソフトを使いこなす技術と、バリアブル出力機機能を顧客に訴求する営業力の両方が問われている。

(『プリンターズサークル』2008年12月号より一部抜粋)

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