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顧客の求めるアクセシビリティ、ユーザビリティ(Web構築2) 報告

掲載日: 2010年09月07日


8/20(金)に開催されたクロスメディア研究会定例セミナーは、Web構築に関する全2回シリーズの第2回目で、テーマを「多様化する閲覧環境に対応できるWeb構築とは」とし、アクセシビリティ、ユーザビリティについて学んだ。講師は、アルファサード有限会社代表取締役野田純生氏と、株式会社エクスペリエンス代表取締役社長の橘守氏。

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 始めに、「メディアデザインとアクセシビリティ」をテーマに、アルファサード野田氏よりご講演いただいた。
Webアクセシビリティには、できるだけ多くの人がWebで提供される情報を支障なく得ることができ、サービスを支障なく利用できることが求められる。しかし実際には、「全く(一部)情報が得られない/利用できない」、「ページにたどり着けない」、「ユーザに身体的な損害を与える」など、問題は多い。アクセシビリティの影響を最も受けるのは障害者や高齢者であるが、健常者でも色覚障害や、環境、状況などによる一時的な制限など、求められる機会は増えている。
アクセシビリティの支援技術としては、音声ブラウザやスクリーンリーダー、点字ディスプレイ、色の名前を表示するソフトウェアなど、様々なものが開発されている。
どのような状態になってもコミュニケーションをしたいというのが、アクセシビリティを必要とする人達の想いである。想像力を持ち、何が必要とされているのか、また伝える側、発信する側もどうしたら伝えることができるのか、執念を持って取り組むことが大切だということだ。

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 次に、エクスペリエンスの橘氏より「顧客が求めるユーザビリティ(顧客とはだれ?)」をテーマに、ご講演いただいた。橘氏によると、ユーザビリティと聞く とよく、「画面の使いやすさ、分かりやすさのこと」と誤解されるが、正しい認識としては、「ユーザの行動、心理などの分析を踏まえて戦略的に導き出され た、サイトのあるべき姿」だという。Webユーザビリティとは、あるWebサイトが特定のユーザにより特定の利用状況において、特定の目的を達成するため に用いられる際の、有効さ、効率性、満足度の度合いである。
訪問者(ユーザ)に最適化されていないWebサイトや、ユーザビリティの最適化が実装されていないWebサイトは、損失を出し続けることに繫がり、当該企業はそのことに気付いていない場合も多い。
企業のWebに必要な最低条件の大前提は、訪問者を失望させないことである。
その他、橘氏は以下の5つを挙げていた。
1.訪問者が必要としている情報コンテンツがあること
2.それが見つけやすいこと
3.それがわかりやすいこと
4.その会社に決める理由があること
5.Web操作に不安がないこと
これらを全て満たし、訪問者の訪問目的を達成させてあげることが、ユーザビリティに繫がるのだという。

★セミナー内容ついては、クロスメディア研究会限定記事となるが、全文を順次公開していくのでご覧いただければ幸いである。

 

 

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