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更新試験問題なので単なる知識を問う問題ではなく、意味が曖昧に取れるところで間違えているようであるが、曖昧とはいっても文章をよく読んで精査していただければ対応でき、特に難解な問題はなく、常識的な設問であるのが分かると思う。
新規問題ということにはなっているが、部分的には既出問題のリファインの部分もあるので、いままでの知識、情報を生かしていただければ幸いである。
階調再現方法についての設問では、大まかには「ドット分散ディザ」「ドット集中ディザ」「誤差拡散」の特徴を理解した上で提示されている図版を選択する。ドットを分散して粒状性、平滑性で優位なのが分散ディザ、ドットからハーフトーンセルでパターン化し画質で優位なのが集中ディザである。誤差拡散では、演算処理の前後、周りの未処理のピクセルを加味しながらさらにより自然な階調表現が再現されている。
毛抜き合わせの設問では、オーバープリント、チョーク&スプレッドの意味を対象の図柄をよく照合し確認しながら理解してほしい。デジタルでのトラッピングでは、色と色の境界部分に図柄の輪郭に沿った線状の図柄をオーバープリントし、線幅の半分が下側の色に残り半分が上側の色にオーバープリントする。
デジタルカメラ入稿、RGBワークフローが当たり前の現状を踏まえてPhotoshopでのカラーマネージメントの設定について基本的な設定の出題である。
RGBデータをPhotoshopで処理するときにオフセット印刷を前提とするのであれば作業スペースをAdobeRGBに設定する。ただし、コンパクトデジタルカメラでのデータでは、sRGBの設定が多く、それに伴いPhotoshopのインストール時の初期設定もsRGBである。よって印刷用途では、作業スペースをAdobeRGBに変更する必要がある。
PDFでの入稿が、この5年で2~2.5倍に増え、Mac OS XやInDesign CSの普及で全体の約10%と言われている。新規問題ではあるが、内容は既出題の内容も多く含まれ、PDFの基本事項を再確認する内容である。
PDF/X-1aは、印刷用途の仕様であり多く使用されている。カラーモードは「グレースケール」・「CMYK」・「スポットカラー(特色)」、画像は実画像(OPI禁止)、フォントは全てアウトライン化もしくはエンベット(埋め込み)など印刷出力の最適化の仕様が定義される。ただし、実画像の解像度やスポットカラーの数は規定されていなので実運用の上では留意しなければない。
DTPエキスパート試験は営業、DTP現場の方も含めて総括的な知識やセンスは持つべきだろうという趣旨に添った問題もある。出題の中には、DTP現場の方が一番苦手な見積もりの基本問題、営業の方には、色々なメディアへの展開を踏まえて、CG、デジタルサイネージ、電子書籍などの啓蒙的な出題も行ったが、これらの出題内容はあくまで基本事項を問うもので知識の収集程度に考えてもらいたい。