本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
Web構築に必要となるのは、ターゲットを明確化・細分化し、様々な素材・要素を定義しながら情報と機能を組み立て、サイトの目的を達成することである。
クライアントの求めるものを整理し、ユーザにとって理解しやすい形に組み立てることが、今後ますます求められていく。
「JAGAT印刷業クロスメディアレポート2010~印刷業のクロスメディア対応に関する調査報告書(JAGAT研究調査部)によると、「人材育成において重要視していること」という質問に対して、「企画力・提案力」の回答が71.9%と最も高かった。ついで「顧客との折衝力」が50.7%であり、顧客へのソリューション提案力が求められている。
7月、クロスメディア研究会では「Web構築ビジネスの知識を再確認する」と題したセミナーを開催し、「Webブランディング」「顧客視点」「企画・提案力」について学んだ。サイトの目的を達成するため、今後クライアントから求められるものに対して、まず何から取り組めばいいのかを模索する必要がある。
講師は株式会社キノトロープの福井幸子氏と、ヴァージョン・ゼロドットナイン株式会社の渡辺泰夫氏。
現在、Web制作会社は大小含めて、約2000社存在し、さらにフリーランスや兼業企業を含めると、さらにその数は膨れ上がる。このような状況でクライアントに選ばれるために、キノトロープでは「ユーザー視点でWebサイトを構築する」ことにポイントを置いている。
クライアントのWebに対する考え方は「あればよい」から「成果を求められる」へと変わった。ユーザーの志向、ニーズ、目的も、千差万別となってきた。 Webサイトは、答えを求めてやってくるユーザーの問題解決ツールであり、満足を体験として提供することができるメディアである。
それを実現するためにキノトロープでは「ユーザーシナリオ」という考え方で、リアルな体験とWeb体験を連動させるようなWeb構築の手法を用いている。企業と人が接するポイントを探し、どの接点でも同じようなレベルのサービスが行えるWebサイト作りが重要である。
企画・提案力を磨くためには、まず考え方を変えていく必要があり、ポイントは、
・従来のマーケティングに頼らない
・自分がよいと思えないものは作らない
・手掛ける企業や商品で、自分自身が好きになれる要素を探す
ということである。
また、いい仕事をするためには「下請けと元請け」ではなく、クライアントと本音を言い合える関係性を構築することが不可欠である。そうでなければ、よりよいものづくりは生まれない。いったん関係を構築できたクライアントとは、一緒にアイデアを考え、解決策を導くことができるようになる。一緒にものづくりをしていける関係性をどう築くのか、それがいい仕事をする第一歩である。
(クロスメディア研究会/JAGAT infoより)