JAGAT Japan Association of Graphic arts Technology


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いいものづくりのためのひと手間を

掲載日: 2010年11月23日

[若手印刷人 リレーエッセイ] “ひと手間”を惜しまず、現社長のもと、 社員一同“いいものづくり”を継続できる企業であるよう日々精進しています。

現会長である先代社長が写真製版業を生業として創業し50年を迎えました。おりしも高度経済成長期であり、当業界においても4色オフセット印刷機の普及により、印刷物の表現力が大幅に向上した時代だったと聞いています。

現在では写真製版という言葉自体、聞くことも少なくなりましたが、印刷工程の中でも修正のきく最終段階であり、主に画像などの色調においてソフト(制作サイド)とハード(印刷サイド)の狭間でお互いの要求を高いレベルで具現化する技術や感性が必要な工程です。弊社では永年にわたり、お客さまである両サイドの要求にお応えするべく、技術や感性を磨き成長してまいりました。
私が入社し現在に至る間にも、アナログからデジタルへの移行という制作や製版工程においてはまさに革命といえる変化がありました。
デジタル化の利便性には計り知れないものがあることは否定できませんが、ともすれば失ってしまう大切なことも多くあると感じています。デジタル化の特性を十分理解できていない当初はこのことに気づかず、何度も工程の見直しを繰り返しました。そして変化する時代の中であっても写真製版業として“いいものづくり”の姿勢を核とすることで、お客さまからの信頼を得て、おかげさまで数社のクライアント様やデザイナーの方から弊社での製版をご指定いただけるようになりました。

あらゆる事柄が多様化する社会、私たち印刷業界におきましても例外ではありません。多様化によって誰もが容易に印刷物を作ることができる現在、企画やデザイン性、色調などの品質面において残念な仕上がりになっているものを見かけることが多くなりました。
スピードや価格重視で十分用を足す物なのかも知れませんが、各工程において僅か“ひと手間”かけることで随分いいものになるのに…と思ってしまいます。

企業として存続していくためには、収益を上げて営利を得ることが原理原則です。このためどんな企業であっても売りげ上を上げる努力と材料などの仕入を抑え、効率化を図り生産コストを下げて利益を上げる努力が必要です。
効率化を追求する上で手間を省くということに目が行きがちですが、弊社ではこの“ひと手間”を惜しまないよう心がけています。
手間である限り当然コストアップにつながるのですが、本当に必要な手間ならたとえコストアップにつながったとしてもあえてお客さまに提案することが私たちプロの役割だと思います。

先代の意思を受け継いだ兄である現社長のもと、 社員一同“いいものづくり”を継続できる企業であるよう日々精進しています。


[著者紹介]                                                         m.inno.jpg  
営業部統括 因野昌也(いんのまさや)1966年6月21日生まれ、大阪府出身、大阪デザイナー専門学校グラフィックデザイン科卒業。1989年入社。趣味:釣り、音楽鑑賞


株式会社メインカラー
創業:昭和34年5月
事業内容:写真製版、制作~印刷全般
住所:大阪市城東区成育3-17-22 TEL.06-6932-5933/FAX.06-6931-6629
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