本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
PAGE2011、テーマは「情報デザイン新時代」。ビジネス構築に役立つカンファレンス概要も決定!
9月末にPAGE2011のカンファレンススピーカーを募集したところ、50件を超えるたくさんの応募をいただきました。まことにありがとうございました。
カンファレンス枠が限られているため、入りきらなかったテーマは今後のセミナー・ミーティングで採り上げさせていただきたく、検討を行っています。
応募いただいた方には後日、御礼として基調講演の招待状を送らせていただきます。
PAGE2011は、情報デザイン新時代をテーマに
印刷業の中であえて勝ち組と負け組を区別するのもどうかと思うが、勝ち組の中には紙の印刷に特化して徹底的に効率化を図り、ビジネス的に成功されている会社も少なくない。少なくないなどと言ってはお叱りを受けてしまうが、印刷出荷額の低下傾向を考えるとどうしても椅子取りゲームになってしまう。
印刷業が出来ること(印刷業の得意分野)を再度考え直してビジネスを再構築しなければならないというのが、PAGE2009の「ゼロリセット」、PAGE2010年の「新生グラフィックビジネス」というテーマの真意だった。
PAGE2011では、もっと具体的に「印刷業界の仕事とは何か」を問いかけ、その答えを「情報デザイン」というキーワードに集約した。
デザインという言葉は便利だが、ここでは文字通り「情報をデザインする」「コミュニケーションをデザインする」という意味も含まれている。素人がデザインしたものと一線を画する高品質がプロである印刷業に望まれのは当然である。
電子書籍時代になり、情報というものが三次元四次元的にクロスするようになれば、情報デザインがますます重要になるのは言うまでもないことだ。しかし「~意味も含まれている」とわざわざ断わったからには、デザインという意味にもっと広がりを持たせているとご想像いただけると思う。
デザインの語源はデッサン(dessin)と同じく「計画を記号に表す」という意味のラテン語「designare」だ。つまりデザインとは、ある問題を解決するために思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現することを指す。日本では「図案・意匠」などと訳され、単に表面を飾り立てることにより美しくみせるイメージだったが、最近は語源の意味が広く理解・認識されつつある。PAGE2011の「デザイン」には「問題を解決する」という意味を含ませているのだ。
情報を伝達するビジネス、そこに関係する問題を解決してこその印刷業だという認識、そして電子書籍元年といわれている今こそ、情報デザインの新時代に突入するという気概を込めたテーマが「情報デザイン新時代」である。
「顧客の問題を解決すること」「自社の問題を解決すること」自体がビジネスチャンスになる。このことをPAGE2011の展示・カンファレンス・セミナーで体感し、刺激を受け、知識を吸収していただきたい。
今回は午前中を基調講演とし3日間毎日魅力的なコンテンツを用意している。電子書籍を題材にしているが、ほとんどのスピーカーは印刷を熟知しており、電子書籍と合わせて印刷ビジネスの本質まで掘り下げていきたい。
2/2(水)の「徹底検証 電子書籍で編集・制作がこう変わる」では、「編集・制作の現場がどう変わるのか?」を浮き彫りにしていきたい。
2/3(木)は「激論 電子書籍の抵抗勢力vs.推進勢力!」と題して、中西印刷の中西専務と電機大学出版局の植村局長にご登壇いただく。電子書籍が印刷業界に与える影響、回避の仕方、避けて通れない場合の退路等について真剣に考えてみたい。
2/4(金)は、メディア環境が激変するなかで、地域に密着しお客さまのコミュニケーションを支援するという役割を果たしてきた印刷業の役割を再認識するため、「地域活性化ビジネスへの取り組み」というテーマで西川コミュニケーションズ株式会社の西川副社長、利根川印刷株式会社の利根川社長、他をお招きしてお話を伺う。
画像レタッチに関してはHDR(ハイダイナミックレンジ)合成を取り上げる。テーマは「HDR合成が変えるレタッチ、画像表現の世界」だが、HDRによって今まで切抜き合成していた世界が大きく変わるはずだ。
また「印刷会社のネット戦略」と題し、避けて通りがちな印刷会社のネット戦略を真正面から取り上げる。
「電子書籍の未来、EPUBフォーマットの活用」では、俄然注目を集めているEPUBをテーマに展開する。
3DCGでは、「印刷業界にとって現実のものになった3DCGビジネスの実態」と題して実例と電子カタログまでの応用展開を解説する。
「提案事例から知るクロスメディアの本質」と題した実践講座や、「様々なクラウドの活用例とクラウドソリューションの可能性を学ぶ」という実例からクラウドのなんたるかを学べるセッションを用意している。今をときめくソーシャルを取り上げたセッションでは、急成長を見せたソーシャルメディアのポイントを学ぶ。
「最新キーワードは位置情報と電子書籍」では、フラッシュマーケティングなどで盛り上がる位置情報ビジネスの最新知識と電子書籍の2大アイテムから最新トレンドを学ぶ。
「通販の広告価値が落ちてきた!」と題したセッションでは、カタログをはじめとする広告媒体の見直し、特にLTV(Life Time Value顧客生涯価値)等を成功例から考えてみる。
また紙媒体の成功例に大きくフォーカスし、「化粧品・健康食品通販におけるチラシメディアの展開事例」を行う。
そして早くからワン・トゥ・ワンを自分のものとして活用してきたベネッセコーポレーションに「進研ゼミにおける最新のワン・トゥ・ワン戦略とは」というテーマで教示いただく。紙を中心にした通販関連の話題が山積みだが、合わせてWebや電子書籍関連のメディアも考えるのはもちろんである。
PAGE2011に新しく登場する【印刷マーケットカテゴリ】では、「2011年印刷市場展望」と「印刷会社の国際展開の可能性」というセッションを用意している。
特に業界展望のセッションは毎年開催を切望されていた内容で、やっとPAGE2011で実現したテーマである。PAGEならではのスピーカーにご登壇いただく予定である。
確実に実績のあるデジタル印刷ビジネスであるフォトブックでは「フォトブックとネットプリントサービス」と題したセッションを開催する。
もう一つのセッションでは「デジタル印刷で成功する条件」と題し、デジタルサイネージとのコラボレーションをお届けする予定である。
これまではMIS/JDFトラックと呼ばれていたカテゴリだが、今回はより魅力的なコンテンツが揃っている。「見える化から始める収益改善」と題して、大東印刷工業・佐竹社長の名講義を中心に名だたる講師を取り揃えている。利益を確保した営業活動こそこれからの印刷業の経営には必要とされる要素である。
また「顧客視点によるワークフロー再構築」では、顧客が望んだことを具現化すればデジタル印刷になるという「発想の転換講座」である。メインスピーカーにはエフ・アイ・エス岡本専務をお呼びしている。
※上記のセッションタイトルは一部仮のものを含みます。正式なPAGE2011サイトは12月中旬にオープンの予定です。順次情報を追加しますのでご覧ください。