本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
PAGE2011「情報デザイン新時代」について、ご紹介の口火を切りたい。まずは基調講演からである。
PAGE2011 のテーマは「情報デザイン新時代」だ。
2009年は「ゼロリセット」2010年は「新生グラフィックビジネス」と続いてきて、2011年は既存の印刷業に何か「+α」したいという意味合いのテーマを考えていたのだが、会長直々にダメ出しを食らってしまった。
そこで考えたのが、本腰を入れてのテーマである「情報デザイン新時代」だ。「情報に関した問題解決を生業にするのが印刷業なんだ!」という決意が込められている。デザインの語源には問題を解決するという意味が元々あり、会長のこだわりもここにあったのである。
DTP以来デジタルの嵐にさらされ続けた印刷産業が、ついに仕上げの時期に入るという覚悟の意味で「新時代」である。
グーテンベルグ以来の活版も形を変えてきたが、紙の上に情報を大量複製するという基本的なモデルまで大きく変わろうとしている。そのきっかけが電子書籍だったのだが、その変革の中で印刷業がどう生き延び、メインプレーヤーになっていくかが「情報デザイン新時代」の大きなテーマである。
PAGEカンファレンスはこれまで「基調講演」「準基調講演」「グラフィックトラック」「クロスメディアトラック」「ダイレクトマーケティングトラック」「MIS/JDF DAY」「デジタル印刷DAY」に分けて数多くのセッションを開催してきたが、トラック/DAYを維持するために無理やりに本数を増やしていた感は拭えなかった。
そこで今回はもう少し弾力的に魅力的なテーマがあるジャンルはトラックにこだわらずにカンファレンス本数を増やすし、逆に無理やりカンファレンスを開催することは避けて、バランスが崩れても魅力がなければ開催しないという方針で組み立てた少数精鋭のカンファレンススケジュールになっている。
したがってPAGE2011ではトラックという言い方はせずにカテゴリという表現を用いている。言葉にこだわるものではないが、スケジュールで興味のあるセッションが重複しないように工夫している。新しいカテゴリとしては従来のMIS/JDFが「印刷マネジメント」に名称変更され、PM研究会で扱っている内容を「印刷マーケット」として2011年の印刷市場展望等を扱うこととしている。
これまでは初日に基調講演をまとめていたが、今回は午前中を基調講演とし三日間毎日魅力的なコンテンツを用意している。電子書籍を題材にしているが、ほとんどのスピーカーは印刷を熟知しており、電子書籍と合わせて印刷ビジネスの本質まで掘り下げていきたいと思っている。
また、印刷が最も得意としていた大量複製というキーワードがWebに取られ出すと、印刷メディアが本当に目指すものは何なのか、真剣に考えていきたい。2月4日の「地域活性化と印刷業」は新たな取り組みとして注目だろう。
●2011年2月2日(水)
基調1 「徹底検証 電子書籍で編集・制作がこう変わる」
---アジア的規模で電子書籍を考える---
PAGE2011で一番ホットな話題である電子書籍について徹底検証する。
毎日コミュニケーションズのeBookジャーナル、小木編集長をモデレーターに迎え「編集・制作の現場がどう変わるのか?」を浮き彫りにしたい。
印刷業界ではDTPデータが電子書籍のデータに置き換わると盲目的に信じられているが、本当にそうなのか?違うならどうなるのか?そして今までのDTPはどうなるべきなのか!を具体的な指針として示す。
スピーカーの黒須信宏氏はプログラムの出来るデザイナーとして今後ますます活躍される人材であり、本来のワークフローはどうあるべきか?を世界的な見地から具体的に考えていきたい。
●2011年2月3日(木)
基調2 「激論 電子書籍の抵抗勢力 vs. 推進勢力!」
本セッションのテーマは、「抵抗勢力としての中西節 vs. Mr.統一フォーマットとしての推進論」というイメージが強いが、実際には現実的且つ客観的な現状分析と電子書籍の発展を予測するつもりである。
電子書籍が印刷業界に与える影響、回避の仕方、避けて通れない場合の退路等について歯に衣着せないお二人のスピーカーと共に真剣に考えてみたい。
●2011年2月4日(金)
基調3 「地域活性化と印刷業」
メディア環境が激変するなかで、印刷業の果たすべき役割は何か?再確認すべきときが来ている。
地域に密着しお客さまのコミュニケーションを支援するという役割を果たしてきた印刷業は、地域活性化を図るうえで重要なポジションを担うべき存在といえる。
本セッションでは、「これからはデジタル印刷だ」というかけ声で機械だけ買っても決してビジネスは成功しない。それに合ったビジネスを創出してからデジタル印刷ビジネスを始めなくてはいけないのだ。そんなデジタル印刷の例を地域ビジネスと絡めて大変魅力的に紹介くださる予定である。
以上の基調講演を核に、各カテゴリのコンテンツが用意されている。その内容はさすがPAGEといわせるだけのコンテンツを精選したつもりなので、来て観て聞いていただきたい。