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みせましょう!「大阪の底力」を!

掲載日: 2011年05月28日


前回の西部支社だより「うつろう季節 止まった時計の針」を書いたのがちょうどGW直前でした。その直後に東北新幹線が復旧し、「はやぶさ」、「のぞみ」「さくら」「みずほ」で日本列島がつながりました。東北路を疾走する「はやぶさ」にガンバレ東北の横断幕を掲げ多くの人が手を振っていた映像が印象的でした。新しい東北に向けて時計の針は動き始めたようです。 

去る5月4日にグランドオープンした大阪駅(梅田)の商業施設(JR伊勢丹三越)に数多くのデジタルサイネージが導入されことはご存知だと思いますが、暗かった街が、一挙に明るくなり、大阪の元気の象徴となっています。 震災による節電は関西では実感に乏しく関東とは好対照です。一時、大阪名物・道頓堀の「グリコ」と「かに道楽」のサイネージも消されましたが今は元気に復帰しています。GWの人出は事前予想ではかなり冷え込むのではないかと予想されましたが、直前になり近場への外出が予想以上に多くなり、普段込まないところまでが賑わったようです。大阪でも「通天閣が1時間待ちや!」「そんなアホな!」という会話が成立したそうな。博報堂の「震災復興レポート5」でも「関西地区では、デパートの屋上ビアーガーデンも始まり、自粛ムードは一切感じられない」とのコメントです。

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大阪駅と商業施設オープンで人の整理に追われる警備員

4月中旬時点での同社(博報堂)の震災後の消費意識・行動に関する調査では、首都圏の57%の人が震災で「日々の暮らしが変わった」と回答しています。それに比べ、京阪神では半分以下の22%に留まっています。ところが、これからの社会について「悪い方に向かう」との予測が両地区とも4割を超えているのですが、どういうわけか首都圏より京阪神地区の方がわずかですが悪い予測の割合が多いのです。生活は首都圏ほど変わってないのに、東京・関東の落ち込みが京阪神をより悪くするのではないかと不安に駆られているのでしょうか。
「社会が萎縮している」「自粛ムードは良くない」「普段どおり楽しむことが被災地・日本のためになる」などに対する意識は東西ほぼ同じですが、電力不足という現実を突きつけられると、「夏の暮らし方について考えている」については、首都圏では88.3%もあるのに対して、京阪神では65.8%に留まっています。ここ2週間ほどでよく行っている節電として「コンセントをこまめに抜く」「不要な電灯は点けない」「エアコンを小まめに調整」といったことも首都圏では3割から5割の人が実施と回答していますが、京阪神ではその半分の1.5から2割となっています。

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東京駅(広告の消えたサイネージ、唯一の広告は節電メッセージ)

やはり節電が生活の一部になっている首都圏に対して、京阪神は「掛け声」に留まっているようです。夏に向けて関西でも電力問題は大きくなることは必至で実質的な行動が求められるでしょう。しかし、直接の被害がなかった関西で、自粛的発想による節電では消費意欲は後退するのは明らかです。むしろ節電を逆手にとった節電ビジネスのアイデアや水都・大阪を活かしたビジネスなど、被災地から距離があるからこそできるビジネスやアイデアがあるはずです。東京が不安定だから大阪も不安定、東京が心配です、という東京頼みの商売を脱却するいいチャンスでもあります。日本の復興は大阪・関西に任せろ!と宣言したいものです。
その気はあっても明るいニュースのない大阪で、JR大阪駅とその周辺の商業地区に続き、2013年春の開業をめざして、うめきた再開発「グランフロント大阪」が5月10日からTV-CMを始めました。ただ東京のモノマネ発想で箱物作りをして、ことごとく失敗した経験を活かし、今度こそ中味で勝負できる「大阪発」の企画満載の箱物であって欲しいものです。ところで中味といえばややローカルニュースではありますが、大阪市水道局が販売している水「ほんまや」がヨーロッパの「モンドセレクション第50回ワールドセレクション・水・ソフトドリンク部門」にて金賞を受賞したとのニュースが流れ、正直驚きました。水道水を活性炭に通して残留塩素を除去し、加熱殺菌してペットボトル(500ml)に詰めたもので価格は100円。受賞理由は、「大阪市水道局の品質管理、安全性が確認され、飲料水を長きにわたって評価している審査員の高い評価があった」そうです。
国内の自治体が製造・販売するペットボトル水が金賞を受賞したのは今回が始めてだそうです。神戸・京都に比べ、大阪の土産物はパッとしないものが多い中で、話題性のある土産物ができました。皆さんもいかがですか。インターネットでも購入できますのでぜひ試飲してください。もちろん小生は受賞以前に吉本的乗りの面白さに惹かれて購入しました。(西部支社:杉山慶廣)
 
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大阪市水道局のブランド商品「ほんまや」

 

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