JAGAT Japan Association of Graphic arts Technology


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第36期DTPエキスパート認証試験の新規課題について

掲載日: 2011年07月14日

次期試験より新たに追加された課題C(自由課題)は、実際の仕事の内容を作品として認めている形式である。

課題Cの骨子については以前にも説明 したが、今回は「課題の手引き」の素案の抜粋にてもう少し掘り下げて内容を説明する。


■課題Cの内容を試験後に提供される「課題の手引き」の素案の抜粋に基づいて説明する。もともと課題Cは、現行の課題A,B(素材を提供)に対して実際の仕事の内容を作品として認めている形式である。

■「課題の手引き」素案の抜粋

Ⅱ.2.1課題Cの「作品」の制作条件
自由課題は自由に作って提出してよいという意味ではなく,実際に仕事で作って印刷物となった作品を提出するという意味です。架空の作品は原則として受け付けません。やむを得ず架空の作品を提出する場合でも,実際に印刷物として通用するレベルに達していることが要請されます。自由課題は以下の要件を満たしていなければなりません。
① 相応量の文字組と3点以上の写真/図版を組み込み,切り貼りなしに仕上げてあること。
文字組版がほとんどなかったり,写真/図版が1.2点しかないなど要素が偏っている場合は採点の対象にはなりません。
②試験実施日を起点として過去6か月以内に実際に仕事として制作したもの,または今回の提出用に新たに制作したもので,「制作指示書」と「作品」の両方を提出すること。
③配布された課題A,Bのデータ(過去のものも含む)を使って制作した作品を自由課題として提出することはできません。

Ⅱ.2.2 課題Cの提出物
課題Cの提出物は,「制作指示書」と「作品」の2つです。
これらは以下の条件を満たしていなければなりません。

Ⅱ.2.3 課題Cの「制作指示書」の提出条件
「制作指示書」は(Ⅰ.1.2「制作指示書」の制作条件)とあわせて,以下の条件に従って下さい。
①「制作指示書」はA4 縦のサイズでPDF で提出して下さい。
②作品制作についてのコンセプトをつけて下さい。とくに課題Cの自由課題は課題A,Bとは異なり,採点者には作品の前提がわかりません。作品自体の特徴や工夫点だけでなく,そもそもどういうクライアントのどういう作品なのかがわかるようにして下さい。実際の仕事でない場合も自分が想定した要件を記述して下さい。
コンセプトは400 字.1000 字程度で「制作指示書」の冒頭につけて下さい。書式は問いません。実際に作った作品でコンセプトに相当するものがあればそれでも構いません。
③実際の仕事上に「制作指示書」に相当するものがない場合は,第三者に制作させるための指示が必要です。実際の仕事で制作指示書に相当するものを使っていればそれを提出しても構いません。
④自由課題でも「制作指示書」のポイントは標準化と効率化です。

Ⅱ.2.4 課題Cの「作品」の提出条件
①「作品」は仕上がりサイズにトンボを付けて(製版サイズ,裁ち落とし3mm)PDF/X-1a の形式に適合したデータで提出して下さい。
②提出物には入稿データとして必要な要素が含まれていなければなりません。

Ⅱ.2.5 課題Cの採点
自由課題の採点は他の課題と同様の基準を適用します。基準に沿って加点/減点する項目と,合否判定委員会で審査する項目があります。
とくに課題Cについては,
①制作コンセプト:どういう仕事なのか,何をポイントに制作したか,また仕事の進め方(段取りや作業計画など)を明記しているか。
②デザイン:レイアウト設計の考え方や方法,パーツのバランスなどが適切かどうか。デザインそのものの優劣は問いません。
③文字組版:書体の選択や組版が常識に外れていないか。
④画像処理:写真やイラストなどの処理が適正に行われているか。
⑤製版/印刷適性:製版/印刷を意識した「制作指示書」「作品」になっているか。
⑥制作指示書:実作業の指示として使えるレベルに整っているか。
などについて審査します。これらの基準を満たしていない提出物,または不完全で判断できない提出物は不合格の対象になります。また,「制作指示書」が,第三者に制作させるための設計書としての水準に満たないもの(メモ書き程度のものや自分の作成記録でしかないもの,判読不能なものなど)は作品自体の出来がよくても不合格になることがあります。

■上記に課題Cの「課題の手引き」の抜粋を記載した。提出の作品において規定の課題A,Bとは異なることを十分に理解して受験する方をはじめにこれから受験を考えられている人も含めて課題の内容をよく理解していただき、状況に応じて選択してもらえば幸いである。(資格制度事務局)


    試験日程:2011年8月21日(日)

     ■第36期DTPエキスパート認証試験   
     ■第12期クロスメディアエキスパート認証試験   
     ■第7回色評価士検定  

                       ただいま受験申請受付中です(2011年6月21日~7月21日)
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