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メディアがクロスする時代のなか、これからのメディアとして最有力視されているカード型フラッシュメモリーについて少し触れてみたい。
我々の世界では、メディアとは、狭い意味では情報の保存媒体、やや広い意味では情報の伝達手段、もっと広い意味では、それら媒体や手段を用いたところの情報の
伝達サービスと言ういい方が出来るかも知れない。 「メディア」という言葉ひとつを捉えても輪切りにする位置が違うとそれぞれ異なる趣が出てくる。 ましてデジタルとアナログという分類コードが加われば、それはもうほとんど収拾が付かなくなるかも知れない。 そこで、何処のどなたが考えたか知らないが、
「クロスメディア」の登場となる。
メディアという概念を横の展開も縦の展開も全部ひっくるめて、言わば3次元的に(いま流行の3D?)捉えて理解し、活用する。 なんと賢い人がいたもの
か! 筆者もこれにあやかって、これからの情報の保存媒体、情報の伝達手段、そして情報の伝達サービスについて、独断と偏見に満ちてはいるが、読者の多少
の参考になればとの気持ちも込めて、述べて行きたいと思うので、お付き合い願えればありがたい。
まず狭い意味で情報を保存する媒体についてお話したい。 情報と言っても、映像や音楽の場合、古くはフィルムやSPレコードと言うものもあるが、 一応ここでは磁気もしくは光学式記録媒体に絞って、話を進めることにしたい。 映像や音楽の世界で言えば、最初にポピュラーな記憶メディアとして登場した のが磁気テープ、特にビデオテープとカセットテープと言うことだろう。 それからCD、DVD、最近ではBlu-rayと言うところであろうか。(厳密に 言うとFlppyとかMD、MOとかキリが無いが) 面白いことにこれらのメディアは常にHDD、即ちハードディスクの対抗馬として登場してきていること に気がつく。 裏返せば、コンピュータの外部記憶装置は、長いことHDDがその主たる位置を占めてきたと言うことである。
ところが最近のフラッシュメモリーの登場でその状況が変わりつつある。 外部記憶装置をその要件から考えて見よう。 まず大事なポイントは①容量
の大きさとアクセス速度(処理能力そのもの)に尽きる。 次に②大きさと重さ(組み込み易さに関係する)、そして③ポータブルか否か(持ち運べるほど堅
牢、もしくは軽量か)、④リムーバブルか否か(いっぱいになったら交換できるか)ということだろうか。 つまりHDDは本来装置に組み込まれて、固定的に
使用されるもの(むろんiDVRという着脱式のHDD製品のあることは承知しているが)で、その不便を補うものとして、それぞれの記憶メディアは利用価値
を主張してきたとも言える。 特に最後の光学式記憶メディアとも言えるBlu-rayなどは、これまでのHDD以外のどのメディアも実現し得ない数十Gバ
イトと言う大容量を売り物に登場してきた。 ところがである、そのBlu-rayはその規格をめぐって2つの陣営に分かれて争っている間に、フラッシュメ
モリーを使った様々な記憶メディアが登場してきたわけである。
フラッシュメモリーの代表的でかつ一般的なものはUSBメモリーであるが、もうひとつSDカードに代表される「メモリーカード」と総称される製品があ
る。 ここではこのメモリーカードを主に話題にしてゆくことにする。 何故ならUSBメモリーは外部記憶メディアと言うよりもデータ交換用メディアであ
り、装置に装着して始終読み書きすると言う目的からは少々外れると思うからである。 このフラッシュメモリーの製品を上の外部記憶装置の要件で考えてみよ
う。 まず①の処理能力ではHDD以外のどのメディアより優れている。 ②の組み込み易さの点では、駆動装置が要らないということだけでダントツの第1
位。③と④も、持ち運びに便利、落としても壊れないと言う意味でもぶっちぎりの第1位と言うことになる。 唯一、記憶容量とアクセス速度の点でHDDに及
ばないと言うわけであったが、最近ではご承知の方も多いと思うが、フラッシュSSD(Solid State
Drive)と言う製品(単にSSDとも言う)が、HDDの代わりにノートPCに搭載されるようになって来た。 価格面ではまだ課題が残されているが、
HDDの地位も時間の問題かもしれない。 とにかく、これらフラッシュメモリーの最大のメリットは、駆動装置が不要つまり故障し難い、スペースを取らな
い、軽い、そして簡単に持ち歩けると言うことに尽きる。 と言うわけで、これからのメディアとして最有力視されているカード型フラッシュメモリーについて
少し触れてみたい。
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◆著者