本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
自社で培ったMISを大事にしつつJDF対応を考えたいという印刷会社は多い。しかし現実的にはさまざまな制約がある。自社MIS更新の課題整理と一足先に自社開発でJDF対応に取り組んだ会社から先進事例を伺う。
ユーザーの求めるJDF運用とは
~JDFへの疑問を問う~
JDF導入にメリットがあるのかどうか懐疑的な印刷会社は多い。
理由として挙げられるのは次のようなものである。
・基幹システムをJDF対応のMISパッケージに入れ替えなければいけない(と思っている)
・仕様変更が多く、かつ仕様決定がぎりぎりなのでジョブチケットの発行タイミングが難しい
・すべてのパラメータを埋め込んだJDFの発行はできっこない
・人間系のコミュニケーションなしというのは怖すぎる
・保有設備でJDF対応機器はまだまだ少ない
しかし、自社の環境が整わないからといって、知らず知らずのうちに食わず嫌いになってしまうのは望ましいことではない。売上拡大による利益確保というモデルが適用しづらい昨今、全体最適の視点で無駄を省いていくことが求められている。
本セッションでは、改めてユーザー(印刷会社)から、JDFへの疑問を問題提起するとともに、自社開発でJDF対応を行った先進事例を紹介する。
(株)ニシカワでは、基幹システムとプリプレスシステムの間を自社開発の「JDFコンバーター」で接続している。本社と二つの工場間でイントラネットの仕組みを構築することで工務/生産管理部門の一元化を狙っている。
モデレータ:本田雄也 CIP4日本語ユーザーフォーラム議長(ハイデルベルグ・ジャパン)
1992年京都の中堅印刷会社に入社。DTPの立ち上げを行う。その後、CD-ROMやインターネット事業の立ち上げを経て、2000年よりJDFの研究を行う。
2005年1月ハイデルベルグ・ジャパン(株)に入社し、JDF担当として活動を始める。 |
スピーカー:兼田克史 (株)ニシカワ システム開発グループ
日本プリンティングアカデミー卒業後、(株)きもと、製版会社を経て、(株)ニシカワに入社。システム開発グループに所属。
デジタルワークフロー全般に携わり、企画・検証や研究に取り組み、各種システムの立上げを行ってきた。 2007年よりJDFをキーワードとした新たなデジタルワークフローの研究を始めJDF変換ソフトを自社開発、2008年AGFA社Apogee Portal採用に合わせ、基幹業務システムと連動図り、現在稼動しているワークフローに至っている。 |
スピーカー:三浦 進 (株)ユーメディア 営業支援部 執行役員
1982年に今野平版印刷(現社名(株)ユーメディア)に入社し、輪転印刷に従事。その後、枚葉印刷、CTP導入の際には刷版、製本加工、外注管理、生産管理と工場のすべての部門を歴任する。2006年に営業支援部を新設し、全社営業支援体制の強化と全社コントロールタワー機能の確立を目標とし、利益を残せる企業体質への改善を推進してきた。現在は企画デザイン、DTP編集、進行管理、進捗支援、システム管理など、営業と工場以外全ての部門を統括している。
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スピーカー:是永有里 (株)メタテクノ ビジネス開発本部事業推進部 プロジェクトマネージャー
国際基督教大学理学科卒、1995年メタテクノに入社。 コンシューマ向けアプリケーション開発、オフィス向けプリンタコントローラ開発などを経験後、米国提携会社との共同開発プロジェクトに従事。
2005年より、新規事業開発プロジェクトに取り組み、ワールドワイドな業界のワークフローソリューションの調査を経て、現在JDF生成エンジン開発プロジェクトに所属。 2007年12月、CIP4/IPA JDF Expert資格取得。 |