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メディアの変遷を情報の形態との関係で考えてみたい。話の都合上、ここではメディアを(A)紙媒体、(B)放送・通信(主としてアナログ)、(C)通信(主としてデジタル、つまりインターネット)と云うように分類したい。
まず(A)紙媒体であるが、紙への情報の投写手段即ち印刷で扱える情報は、主に文字と画像と言うことになる。次に(B)放送・通信では、音声と映像が主役に加わったが、文字・画像はむしろ従の役割となった。この間に文字・画像・音声・映像という情報形態その物のデジタル化が進んだことは言うまでもない。従って、ここで云う印刷も、今や制作工程はデジタル化されており、また放送・通信もデジタル化の過程ということになるが、少なくとも通信はすでにデジタル化を終えている訳である。言い方を変えると、放送・通信のアナログ兄弟の中から、通信だけがデジタル化を終えて、(C)インターネットという存在に脱皮したと言えるかも知れない。
その結果、紙媒体での情報の主役は文字と画像に留まり、放送の主役が音声と映像が中心であるのに対して、(C)通信即ちインターネットは、デジタル化が進んだ文字、画像、音声、映像の全てを扱えるという「いいとこ取り」を実現した事になる。
メディアとしての地位の変遷は、その広告収入に如実に表れている。新聞・雑誌の広告収入よりテレビのそれが桁違いに大きいのは当たり前としても、インターネット関連の広告収入は、数年前に雑誌を、そして昨年は新聞のそれを追い越して、徐々にではあるが、テレビの立場をも脅かす様になってきている。(もっとも、テレビ放送の広告収入の低迷は、他にも要因が有るようではあるが・・・)ともあれ、アナログ時代のメディア(書籍と放送)は、何となく扱う情報の棲み分け(文字と画像は紙即ち書籍、音声と映像は放送という様に)が出来ていた観が有るが、インターネットの登場で、その平衡状態が一挙に崩されたと言うことであろう。
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