本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
『ソリューションプロバイダーへの進化』(全印工連)の「2020年までの印刷市場規模の10年予測」によれば、2009年には6.3兆円であった印刷市場規模が、2020年には上位推計で5.5兆円、下位推計では3.8兆円に縮小するとされています。そうした縮小傾向に歯止めをかけ、市場規模拡大に転じるためには、業界のみならず、印刷会社一社一社、印刷ビジネスにかかわる一人ひとりが前向きな意識を持ち、時代の一歩先を読んで行動する必要があります。
しかし、不確実性の高い現在、印刷ビジネスの未来ビジョンを描くことは簡単ではありません。そこでJAGAT発行の『プリバリ印』では、印刷市場縮小の要因を整理し、2015~2020年頃に予測されている成長領域などを視野に入れ、「オフセット⇔デジタル化」「モノづくりの高度化(国内市場中心)⇔サービス化(グローバル展開)」を軸に、2020年における印刷会社のイメージを描いた3つのシナリオを策定し、そのシナリオに沿って、みなさまが「こうありたい!」と考える2020年の印刷会社の方向性をお尋ねするアンケートを企画いたしました。
調査の開始:2011年11月17日(木曜日)
調査の終了:2011年11月30日(水曜日) 12月7日(水曜日)
お手数ではございますが、調査の趣旨等をご理解いただき、ご協力賜りますようお願い申しあげます。
なお、ご回答いただいた皆様には、調査結果をまとめた掲載誌(『プリバリ印』2012年1月号=2011年1月12日発行予定、定価1,890円)を送付させていただきます(web会員登録先へご送付いたします)。お忙しいところ恐縮ではございますが、ご協力いただければ幸甚です。
【回答方法】
2015年…ネットビジネスにおけるモバイル率が25%に拡大/電子書籍端末の国内累計販売台数が1,400万台となり、同コンテンツ市場は2,400億円に/データセンター市場が約1.7兆円に
2020年…クラウドコンピューティングが累計40兆円超の新市場を創出/アジア域内の電子商取引が1,000兆円の市場規模に拡大 ~「NRI未来年表」より
【シナリオA】
・デジタル印刷市場の拡大が顕著で、Web to プリントが印刷ビジネスの主流になりつつある。また、自動翻訳機の高度化・多様化によって、印刷通販スタイルで海外展開を図る会社も増えている。
・商業印刷市場は徐々に縮小を続ける一方、多品種小ロット化に対応し、ダイレクトマーケティングやセールスプロモーション関連など付加価値を高めるサービスや、“ソーシャル”をテーマにしたB2C向けのビジネスの伸びが大きくなっている。
【シナリオB】
・拡大を続ける電子書籍・出版の領域において印刷会社はなくてはならない存在になっており、電子化や再編集、アーカイブ管理から、電子データのアナログ化など広範な実務作業をトータルで請け負う会社も増加している。
・デジタル印刷の環境整備が進むとともに、アジアを中心に、海外市場への展開を図る印刷会社が増えつつある。いまのところは、グローバルな規模での価格競争を回避し、UV印刷システムなどを駆使しながら、高品質を武器とする事業戦略が主流になっている。
【シナリオC】
・印刷ビジネスのあり様は基本的に2010年頃と変わっていないが、高度化した印刷技術を生かしたモノづくりを軸に、国内市場の掘り起こしが図られている。
・技術革新など変化の激しい電子書籍・出版市場には他のプレーヤーの参入も多く、印刷会社における収益の柱にはなり得ていない。
・言葉や商習慣などの問題から、印刷ビジネスの海外展開には後れをとり、現地化を実現している印刷会社はごく少数にとどまっている。