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Facebookは2012年も利用者増となるか

掲載日: 2011年12月02日

Facebookはアクティブユーザ数は7億を超える世界最大のソーシャルネットワークである。2011年で急速に認知拡大した。

Facebookにおけるアクティブユーザ数は、MAUという呼び方で表現される。MAUはMonthly Active Usersであり、一ヶ月に一度でもアクセスしたユーザをカウントする。通常、他のWebサービスにおけるユーザ数とは、登録ベースで数えることが多い。Facebookにおけるユーザ数は強気の数字とも言える。この、一ヶ月に一度はアクセスするユーザが、実に世界で7億以上いるわけである。

Facebookは元々、ハーバード大限定のコミュニティとしてスタートし、少しずつターゲットを拡げ接続できる大学を増やしていった。広く一般から登録できるようにした後、2007年5月にプラットフォームをオープン化した。これは世界初のことで非常に話題になった。オープン化により、様々な企業がアプリを制作できるようになった。そして2008年12月頃にアプリが出揃ってきたことでユーザ数が急激に増加。2009年12月にはユーザ数が4億、2010年7月にはユーザ数が5億を超え、今もなおユーザ数は増えている。
現在、北米の50歳以下インターネットユーザの98%はFacebookユーザであり、北米のみならず英語圏の諸国、欧州主要国やアフリカ、南米などで最も利用されているSNSとなっている。

SNS利用者数の傾向として、勝ち組が勝ち続け、いったん抜かれた側は次第に伸びなくなるということがある。インドではそれまでOrkutがメジャーSNSだったが、Facebookが抜いた。ブラジルも現在はOrkutだが、これも伸び率からFacebookが有利との見方がある。日本はというと、ミクシィ、グリー、DeNAの3強状態であり、なおかつTwitterも盛んということもあって、他の国と異なる状況にある。

アメリカは1億5千万ユーザを誇っているが、現在はユーザ数が減っている。これは既に飽和状態であるということでもある。人口に対して50%にも到達すると飽和するということを示している。インドなどは、まだ人口に対して2%ほどのシェアに過ぎないが、それでもFacebookユーザ数ランキングでは5位につけている。このあたりは今後ますます増えることが予想される。
日本はユーザ数が340万ほどで、Facebookの全体から見るとまだまだ少ない。しかしユーザ増加率が10%ほどであり、前月比で10%も伸びている国は珍しく、今後は日本でもFacebookがメジャーSNSに近づく可能性がある。

Facebookは、「ヒト」や「モノ」の関係性を示す「ソーシャル・ウェブ」の構築を狙っている。
これまで、グーグルやヤフー!がやろうとしていたウェブは、無限に広がるネットワークに対して、階層化された紹介や検索によって情報提供を行った。ここにキーワード広告収入を絡めることで収益をあげた。しかし、Facebookはユーザ同士の関係性によるネットワークを構築し、友人関係(ソーシャルグラフ)がベースとしている。ユーザの趣味志向、行動履歴はFacebook上の行動から蓄積・分析され、そのユーザによりマッチした広告展開も可能となる。一番の特徴としては、これまでのWebでは掴むことのできない、そのユーザと他人との関わりを数値化して取り込むことができていることである。
「いいね!」ボタンを外部サイトに組み込めることで、Facebook外のユーザの志向もFacebook内に収集される。


(クロスメディア研究会)(Jagat infoより)

(JAGAT 研究調査部 木下智之 )

 

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