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ソーシャルコマースとは何か

掲載日: 2012年01月11日

昨年からよく聞くソーシャルコマースとは何か?ということを改めて解説。

Facebookが相変わらずユーザ数を増やしている。先月(12月)時点で7億7千万を超えたと書いたが、いまはすでに7億9千万を超えている。一ヶ月で2千万人もMAUを獲得しているのは驚異的だ。集計の仕方にもよるだろうが間もなく各メディアにてFacebookがユーザ数8億を超えたというニュースが出回ることだろう。(ユーザ数のソースはcheckfacebook)

アメリカではすでに飽和状態で減少傾向にあるとはいえ、世界各国ではユーザ数は拡大し続けているのが現状だ。日本では、半年前には300万人ほどだったが、いまでは630万人ほどになっている。映画「ソーシャルネットワーク」が公開されてまだ一年ほどと考えれば、日本では急激にユーザ数が増えていることがわかる。

iPhoneやAndroidのスマートフォンの普及にあわせて、twitterやFacebookのユーザ数も増えている。スマートフォンを手にすることは、AppleIDかGmailを手にすることと同じで、そしてまずはtwitterやFacebookなのである。月に一度でもログインするアクティブなユーザだけで600万人以上にまでなった。昨年は、Facebookページの活用事例が話題となり、ミクシィやGoogle+が同様のサービスをロンチしてこれも話題となった。話題となったが事例が出揃ってくるのはこれからである。

ユーザ数が増えてくると、今後はようやくFacebookアプリゲームや広告に焦点があってくると予想される。そしてソーシャルコマースも同様に2012年になって、ますます話題にのぼるだろう。

以前はFacebookとEコマースをかけあわせてFコマースとも呼ばれたソーシャルコマースだが、仕組みとしては複雑なものではなく、Facebookのプラットフォームを利用してEコマースをやるという考え方だ。
これまでのECは楽天やAmazonにしても商品ページにはユーザレビュー(コメント)が載っている。商品購入候補となる客がその商品ページにたどり着くためには、まず商品に興味をもっていることが前提で、その商品ページに検索などでランディングする必要がある。

ソーシャルメディアにおけるコマースのインパクトは、波及効果である。
Aさんがある商品aaaについて興味ももった場合、つまり「いいね」ボタンを押したとする。そうするとAさんの友達BさんCさんDさんにもそのイベントが通知される。BさんCさんDさんにもAさんがaaaを「いいね!」したことがフィードされ、今度はその中でDさんがaaaに興味をもち、また「いいね!」を押す。そうするとDさんの友達EさんFさんGさんにそのことが通知され・・・という具合に、延々と波及していく。
友達にしてみれば、自分の知らないところで誰かが商品に対して興味を示した事実が知らされる。商品購入のアクションにしても然りである。非常に強力な波及効果を持っていると言える。

この効果を期待して、それをFacebookのプラットフォームにて勝負しようというのがソーシャルコマースで今行われていることである。Facebookは日本ではユーザ拡大が続いており、スマートフォンとタブレットはまだまだ普及するのでそれこそ一部のアーリーアダプターだけのものでなくなるだろう。
そうなってくると、どんな端末から観てもコマースができて波及効果が期待できるFacebookでの方法はおさえておく必要がある。

(JAGAT 研究調査部 木下智之 )


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Facebookのインパクト 大変革するソーシャルビジネス

 

 

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