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【page2012】成長を続ける通販市場。2010年度における通信販売業界全体の売上高は推計で4兆6,700億円といわれ、過去10年でおよそ2倍となっている。特にここ数年はWebやモバイル経由の売り上げが伸びている。
老舗通販大手の千趣会では、十数種類ある紙カタログを中心に、Webやモバイル、さらに実店舗展開など複数チャネルによる相乗効果を目指した取り組みを進めている。
オンラインショップ「ベルメゾンネット」では、会員数は700万人を超え、オンラインショップ経由の売り上げはカタログ事業全体の約6割(約650億円)を占めるまでに成長している。
興味深い点は、Web売り上げのうち3割以上が紙カタログ経由という点である。
ベルメゾンネットでは、パソコンで注文するユーザーの約4分の1、ケータイでは全体の半数以上が、Webサイトに紙カタログの注文番号を入力しているという。つまり、紙カタログを見ながらパソコンやケータイを使ってオンラインショッピングをしているユーザーが多いと考えられている。
同社ではこのような利用シーンを踏まえて、2011年10月にはiPhone・Android向けに注文番号検索アプリをリリースした。これは紙カタログやチラシを見ながら直接商品の注文番号を入力するアプリで、商品レビューが見られるほか、注文も手軽に行うことができるようになっている。またケータイからスマホへのシフトへが進む状況への対応として、スマートフォンへの最適化も進めている。
同社では、ほかにも紙カタログでは伝え切れない商品の組み立て方や使い方などを紹介する「動画ショッピング」や、「ベルメゾンをもっと好きになってもらうための情報発信とお客様とのコミュニケーション強化」という位置づけのファンサイト「ベルメゾンデッセ」運営など、Webを活用した施策を積極的に進めている。
(研究調査部 中狭亜矢)
【page2012カンファレンス ダイレクトマーケティングカテゴリ】
日時:2月10日(金) 15:15-17:15
会場:サンシャインシティコンベンションセンター ワールドインポートマート5F
参加費:15,750円(事前価格・複数申込み割引あり)
千趣会が手がけるオンラインショッピングのベルメゾンネットについて、カタログとの連携やサイト運営など、長く守り続けている基本サービスからスマホ対応といった最新の取り組みまでを紹介する。また通販業界におけるWeb展開の現状について解説する。
スピーカー:(株)千趣会 岡田麻子氏/通販研究所 渡辺友絵氏