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AR(拡張現実)を印刷会社がビジネスにするケースが増えている。単なるコンテンツ制作ということではなく、ビジネス発掘ツールという位置付けには最適のアイテムである。
拡張現実とは、現実環境にコンピュータを用いて情報を付加する技術、および情報を付加提示された環境を指す言葉である。英語の Augmented Realityの日本語訳&省略形のARが使われることが多い。ARはバーチャルリアリティと対比される言葉で強化現実とも呼ばれ、現実に付加情報としてバーチャルな物体を電子情報として合成提示する。仮想現実に対して現実を強化(拡張)する強化現実ということだ。
ARの歴史は旧く、今までに様々なARアプリケーションが生み出されてきたが、アプリケーションだけでは動作しないのが玉に瑕であった。Webカメラやディスプレイ、GPSや地磁気センサなどの機器が必要だ。また、拡張現実に存在する情報にアクセスしたり、操作するための入力デバイスも必要だったため、魅力はあるが実現の難しいアイテムとして考えられていた。例えばARが注目され始めた頃は、メガネにカメラが付いたヘッドマウント型ディスプレイの利用が想定されていたが、あまりにも仰々しく使い勝手が良いとは言い難かった。
しかし、このような状況はスマートフォンの普及で一変した。スマートフォンは、高速な3G通信機能やGPS、電子コンパス、タッチパネル型ディスプレイなど、ARを実用的に使うための機能がすべて揃っている。特に、スマートフォンブームの牽引役となったiPhoneやAndroidは、多くの開発者から有力なARプラットフォームとして認められ、さまざまなスマートフォン向けのARアプリケーションが続々と開発されている。
Web通販サイトがAR対応していると、自分がその商品を購入した際の部屋の変化や環境変化をスマートフォンに付属のカメラを使用すれば確認することが出来る。そして購入しようとしている商品には商品情報も表示されるという具合である。IKEAの例で説明しよう。IKEAのホームページから買いたいと思っている商品、例えばソファを選択してその商品に付随しているマーカーを印刷する。その印刷したマーカーをそのソファを置きたいと思っている部屋の中にセットするだけで、ARソフトが入っているスマートファンで覗くと、そのソファが置かれている様子が画面に現れるのである。究極のカタログ・チラシともいえるが、そのスマートフォンで直接商品を買うことも出来、本当に究極の宣伝・販売ツールともいえるのである。ARを餌にしてチラシやカタログも一手に引き受けるという営業トークはこれから多くなるのは間違いがない。
page2012では、ARについて実際のデモを交えながら行っていく。論より証拠、実際の効果を体験すれば、ARを使ったビジネス展開のイメージも沸いてくる。講師の御園生大地氏が所属する株式会社PIPSや作品サイトその他記事を掲載するのでご覧いただきたい。いままさに旬の素材である。
株式会社PIPS URL
御園生大地 作品サイト(プロフィールページ)
めざせ!3DCGフォトグラファー
第9回 3DCG制作を始めた現場を取材! フォトグラファーから3DCGフォトグラファーへ 株式会社ピップスの事例 (3DCGを始めた経緯が書いてあります。)
オルタナブログ「グローバルIT時代のフォトグラファー」のエントリー記事
(なぜ、マルチクリエイターになったのかが書いてあります)
「IT media オルタナティブ・ブログ」にブログを開設しました
「グローバルIT時代のフォトグラファー」
■関連セッション
「事例に学ぶCG・AR・動画ビジネス」+αのビジネスヒント
2月8日 12:30-14:30
ピップス 御園生大地/パーチ 長尾健作/N-BASE 安島一寿/サンメッセ 井戸義智
(文責:郡司秀明)
※当日申込も可能なので是非ご来場下さい。