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コミュニケーション能力の重要性

掲載日: 2012年05月10日

昨年9月に日本経済団体連合会が発表した調査結果によれば、企業が「採用選考時に重視する要素」の第1位は8年連続で、「コミュニケーション能力」だった。


そもそも、「コミュニケーション」とは、何だろう。辞書によれば、「人間が互いに意志・感情・思考を伝達し合うこと」「さまざまな情報内容を言語・文字・身振りなどさまざまな手段で伝え合うこと」とある。しかしながら、「コミュニケーション」の語源は、ラテン語の“communicatio”で、「他人と分かち合うこと、共有すること」だという。つまり、本来の意味からすれば、情報を伝えるだけでは不十分で共有して、初めて目的が達成されるのではなかろうか。

多くの日本企業が社員に求める「コミュニケーション能力」も、まさにここにポイントがありそうだ。なぜなら、経営方針、全社目標、チームプロジェクト、上司の指示、お客様の要望など、どれをとっても、双方向で情報を伝達・共有しなければ、前に進めないし、結果を出せないからだ。

一方で、社会に出たばかりの新人たちが自信がないのも、この「コミュニケーション能力」だ。似たような環境で、似たような人々と限られた時間を過ごすだけなら、それほど高い(深い)能力はいらない。自分の解釈が他人と異なっているかどうかを確認せずとも、日々の生活は営める。しかし、社会人となったらそうはいかない。情報を正しく伝達し共有できるかどうかは、結果の違い、収益の差、ひいては会社の発展を左右する。コミュニケーションは双方向のものだから、もちろん新人だけのことではなく、先輩社員にも、上司にも、管理職にも、経営者にとっても重要な問題だ。

幸い「コミュニケーション能力」の基本は、訓練で高めることができる。まずは、相手の立場に立って注意深く聴くこと。聴き上手は営業の基本でもある。会話はキャッチボールだから、聴けない人は話せない。聴き上手になることは、相手との信頼関係を深めることでもある。もちろん、ただ漠然と聞くだけではダメで、話を曖昧にしない質問の仕方、あいづちの打ち方、自身と相手のコミュニケーションスタイルの把握など、適切なトレーニングの繰り返しで、苦手な人でも、少しずつコミュニケーション能力を高めることが可能だ。それもできるだけ、早い時期に繰り返し訓練すること、または大切なポイントを心がけることが望ましい。部下を何人ももちながら、部下と適切な意志疎通のできない管理職、チームメンバーはそろっているのに、結果が出せない管理職となってからでは遅すぎる。

印刷産業は、これまで大きな設備投資の伴う高度なものづくりで収益を上げてきたが、現在の厳しい環境下で、価格競争から脱却し付加価値の高い仕事をするためには、顧客の課題解決を進めながらサービス業として生き残るビジネスモデルを考えざるを得まい。そのためには、社内でも社外でも、高度な「コミュニケーション能力」をもつ社員の育成と活躍が求められる。
JAGATでは、4月の新入社員向け研修で、毎年「コミュニケーションスキルアップセミナー」を実施している。6月及び9月にも、段階を追った「コミュニケーションセミナー」シリーズを開催予定しているので、ぜひご活用いただきたい。

  【関連セミナー】

  ■ビジネスマナー&コミュニケーションスキル基本講座①  2012年6月28日(木)開催
   ~ビジネスプレゼンスの向上と即戦力化をはかる~

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