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大人気のkobo Touch

掲載日: 2012年09月19日

『国際電子出版EXPO』に参加して【森裕司のデジタル未来塾(5)】

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●大人気のkobo Touch
7月上旬に開催された『国際電子出版EXPO』と『東京国際ブックフェア』に参加するために、名古屋から東京ビッグサイトまで出かけてきた。今回は、会場の各ブースを回った感想を綴ってみたい。

miyaijyuku201209-2.gif今回、一番興味があったのは楽天のkobo Touch。6月末にAmazonから「Kindle日本版が近日中に発売される」という発表がなされ、いよいよ日本でも本命とも言われるKindleのサービスが始まるという話題が持ちあがる中、楽天から発表されたのがkobo Touchだ。7980円(税込み)という低価格で、koboイーブックストアには約3万冊の日本語の電子書籍が並ぶとのこと(日本語以外の言語も含めると240万以上)。その実機を実際に触ってみたかったのだ。りんかい線の国際展示場駅を下車すると、エスカレーターの両側にずらっと貼られたkobo Touchのポスターが目を引く。楽天が、いかにkoboに力を入れているのかがよく分かる。会場に到着して、さっそく楽天のブースに行くと、ものすごい人だかり。けっこうな数の実機が展示されていたのだが、並ばないとなかなか触れない状態が続いていた。今回、回ったブースの中で楽天が一番の賑わいだったのではないだろうか。

実際にkobo Touchを手に取ってみると、非常に軽く、片手でも楽に持てる。ページめくりも割りとスムーズだ。正直、Kindleや他社の端末と比べても、大きなアドバンテージというのは感じられなかったのだが、文字は非常に読みやすかった。電子ペーパーということもあるが、フォントに負う所も大きいようだ。搭載フォントを確認してみると、和文フォントにはモリサワのリュウミンとゴシックMB101の2書体が搭載されていた。今さらながら、表示フォントによって読みやすさは随分と違うんだなという印象を受けた。koboのフォーマットはEPUB 3.0に対応しており、縦書きやルビもきちんと表示されていた。7月19日に発売なので、個人的にも購入していろいろと試してみたいと思っている。興味のある方は、ぜひ試してみてほしい。 

(JAGAT info 2012年8月号より 一部掲載)


森 裕司[もり・ゆうじ]

名古屋で活動するフリーランスのデザイナー。
ウェブサイト「InDesignの勉強部屋」(http://study-room.info/id/ )や、名古屋で活動するDTP 関連のデザイナーやオペレーターなどを対象にスキルアップや交流を目的とした勉強会・懇親会を行う「DTPの勉強部屋」を主催。DTP やInDesign に関する著書も多数。アドビの『AdobeInDesign CS4 入門ガイドBack to Basic』の執筆も担当している。

 

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