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就職活動に「ソー活」と呼ばれる新たなトレンドが生まれている。「ソー活」とは何なのか?中小企業の採用に新たな可能性が生まれるのか考察する。
■ソー活とは何か?
「Facebook」「Twitter」等のソーシャルメディアを活用した就職活動を略して「ソー活」と呼ばれている。2011年1月にリクルートが発表した「2011年のトレンド予測」で初めて提唱されたようだ。2000年中頃から「mixi」「GREE」に代表されるようなソーシャルメディアは台頭していたが、匿名性が強いためか企業側は積極的に採用活動として利用していなかったと推測される。しかし実名による登録が基本の「Facebook」が頭角をあらわしてから、ソーシャルネットワークを介して企業と学生双方の信用性を担保した上で、コミュニケーションを図ることができるようになって、採用・就職活動に活用している企業、学生が増えていると言う。
■学生の利用の仕方
学生はソーシャルメディアを就職活動に活用することで、自身のウォールに採用情報が掲載されるために、リアルタイムで採用情報を取得することができ、情報取得のモレが軽減される。また、企業と学生、あるいは学生と学生の双方向でコミュニケーションを図ることができるため、情報収集の共有、連携、そして企業の採用ページでは知りえない生の情報(企業の実態)も得られる可能性がある。
一方、デメリットもある。企業からも内定候補者のSNS個人ページを閲覧できるため、面接では見えない素の姿(人となり、友人関係、普段の生活)を見られ、選考の材料に使われる可能性がある。このことに関しては、多くの学生が怖いと感じており、そのような採用担当の視線に対して、就職活動ウケするSNS個人ページを作成する等の対応も迫られているようだ。
■企業のメリット(採用コスト削減・コミュニケーション強化)
採用ホームページの制作、就活ポータルサイト・雑誌への募集広告掲載に莫大な費用が必要である。中小・零細企業は限られた経営資源しか保有していないため、なかなか採用に投資ができないでいた。しかしSNSでは基本的にコストをかけずに自社を広く周知する機会が得られるため、採用コストを削減しつつ優秀な人材を採用する可能性が増えている。
また近年では、内定者の辞退、早期退職が増えている。その大きな要因は、企業と学生のミスマッチによるものである。SNSを活用すれば、企業側は多くのミスマッチを埋めるための情報を学生へ伝える機会が増える、また学生からのコメントでニーズ、本音を汲み取ることもできる。双方向のコミュニケーションを図れるため、ミスマッチが低くなる可能性がある。また、内定提示から入社まで1年から数箇月間が空くため、内定者のモチベーション管理にもSNSによるコミュニケーションは重要になってくる。
■「ソー活」を展開する中小企業の差別化方法
ただし、企業はSNSを通して、会社概要、ビジョン、事業案内等、ホームページや会社案内に一般的に掲載されている情報を伝えているだけでは意味がない。「職場の雰囲気」「先輩社員の紹介」「採用の裏話」等、ありのままの姿を見せるのが重要である。印刷会社であれば、制作現場、印刷工場の動画を配信したり、現場見学ツアーのイベント告知を行ったりすると、学生からの評価が高くなりSNSサイト上で口コミを誘発することができる。また、アンケート機能を利用して、学生にどのような情報が知りたいか収集することや、学生からのコメントに対して誠実に答えていくことで、双方向のコミュニケーションをとる等の対策も必要である。もちろん、上記で述べたことは大企業も対応することは可能であるが、応募総数が大企業に比べれば多くないため、個々の応募者に対してはきめ細やかな対応をすることができる。また同時に自社の社風に合う学生を見極め採用できる可能性が高まるため、ミスマッチを軽減でき有機的な採用活動を展開できる。
以上、就職活動の新しい潮流として「ソー活」の概略および中小企業の採用活動においての重要性について述べた。また印刷業もクロスメディア展開を図る中で、ソーシャルメディアへのキャッチアップは重要であり、「ソー活」を通してメディアリテラシーの高い人材の発掘も考えられる。
ただし、人材の採用活動はあくまでスタートラインの手前であり、そこから早期に戦力化するかが勝負である。そのためには早期の社員教育が大切になり新人教育計画の策定は重要である。
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