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業務の効率化は、制作現場でマネジメント業務に携わる方々が日々直面する重要課題のひとつだろう。
印刷会社の制作部門の担当者からは「現場のマネジメントがうまく機能しておらず、業務の効率化がはかどらない」というような声をよく聞く。
「明確な業務フローがなく、マネジメントができていない」
「役割分担が確立されておらず、仕事の配分が属人化されている」
「全体の進行管理を担う人間が個人の業務に追われている」
組織全体の生産性を上げ、印刷物のクオリティの維持をはかるためには、現場の制作管理を司るディレクションの有無が問われる。仕事の優先順位やスケジュール管理、役割分担が徹底されていなければ、受注が増えても、組織の疲弊を招く。仕事全体を客観的に見通し、合理的な分業体制を構築していくことが効率化を図る上で重要である。
ディレクターの役割は適材適所で業務を割り振りながら、制作物の品質を管理し、業務を円滑に進めていくことにある。個々のプロジェクトで成果を生むために何が必要かを見きわめながらディレクション業務を遂行することによって、品質の標準化と生産性の向上が可能になる。
JAGATでは、制作現場のマネジメント課題に取り組むための対応策を事例ととともに解説する講座「制作現場のディレクションとマネジメント」を開催している。業務の管理進行を担うディレクターの役割を考えながら、現場において直面する問題に焦点をあて、具体的な行動計画のプランニングまでサポートしている。受講者からはさまざまな感想が寄せられているので、ぜひ参考にしていただきたい。
・ディレクターのあるべき姿を確認することができた。ディレクターの役割を社内で共通認識にしていきたい。
・ディレクターに求められる能力には、作業工程の進行を通して、人材を育てるという一面もあることを理解した。
・マネジメントとは、「自分がやりたいことをする」のではなく、「部内の人たちが何を考えているかをくみとり、その上で戦略をたて実行する」ということに気づいた。
・顧客の一歩先を行く制作物、次の営業展開につながる制作物を共同で創るという意識が重要だと思った。
■関連情報
「制作現場のディレクションとマネジメント」
2012年12月5日(水)
<教育コンサルティング部 原淳子>