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博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所の調査によれば、高校生の2人に1人がスマートフォンを所有しており、4人に1人は「初めて買った携帯電話がスマートフォン」であるという。
(参考)
スマホ所有の高校生、4人に1人が『初めて買った携帯電話がスマホ』と回答 博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所 「スマートティーン調査報告」
2012年に急速に普及したスマートフォン(上記調査では、2012年になってからの購入が6割にもなるとのこと)だが、2013年はいよいよその普及率が高校生に限らず全体でも50%を超えるとみられている。これまでのフィーチャーフォン(ガラケー)よりもスマートフォンを使う人のほうが多くなり、さらに「初めて触る携帯端末」がガラケーでなくスマートフォンになっていく。これまでは新しいモノ好きの人のものであるとか都心に集中しているという見方も出来たが、そうはいかなくなる。
2013年こそ、スマートフォンによる変革が本格化する年なのである。「これからのWebはレスポンシブデザインだ」とか「これからはモバイルファーストだ」とか言ってたのは過去の話で、本当にモバイルファーストで思考しなければならない。
2013年はスマートフォンとタブレットなどが中心となって、その画面上で何を表示するか、サービスするかということを考えるうえで、重要キーワードをあらためておさらいする。
O2O
Online to Offlineの略である。オンラインからオフラインへ流すことを意味している。ネット上での集客を実際に店舗などへ繋げて購買行動を促す。O2Oというのは技術や製品の名前ではなく、クロスメディアである。
スマートフォンになって、現在地情報を扱ったりカメラ機能、コミュニケーションが容易になった。Facebookで集客して、クーポンを取得させ、来店し、感想を書いてもらう、などなど複合的に組み合わせていく必要がある。NFC(近距離無線通信)がどう普及していくかもおさえておく必要があるだろう。
電子書籍
2012年の間にEPUB3固定レイアウト、緊デジ、楽天Kobo、Amazon Kindle、Lideo、といった各プレイヤーが一気に動いた。これまでコミックやラノベをフィーチャーフォン(ガラケー)で楽しんでいた人たちがスマートフォンへ移る。なおかつAmazon Kindleなどがオープンしたことで、物理的に本を買って読んでいた人も電子書籍をスマートフォンやタブレットで買って読むという選択肢が出来た。
今後も重要になることは、Kindleダイレクトパブリッシング(WordでもEPUBでも入稿すれば個人で電子出版できてAmazon Kindleストアで売れる)に挑戦する人が増え続けるだろうということ、そしてたくさんの作品の中に埋もれないために、どのようにして売っていくかということだ。
AR(拡張現実)
QRコードとフィーチャーフォンでケータイ向けWebページへ誘導する時代に比べ、やってることはそう変わらないが見栄えは非常にリッチになった。スマートフォンにより処理速度は向上し、通信速度もあがり、データを端末にストックできる容量も増えた。カメラ機能で何かを映せばCGキャラクターが浮かび上がるといったものだけがAR(拡張現実)なわけではなく、文字どおり現実を拡張する様々な仕掛けが今後は増えていく。位置情報やNFC、センサネットワークなどのクラウド効果で、より環境に溶け込んだ情報メディアとなっていく。
スマートテレビ
アプローチは2種類ある。一方はテレビがインターネットに繋がっていてテレビ画面に番組だけでなく付随情報が出てきたりするもの。もう一方はテレビを観ながらタブレットやスマートフォンを同時に利用して番組連動コンテンツを観たりソーシャルで呟いたりといったもの。前者は地デジ化で買い替えも進んだことで期待されたが、後者の試行錯誤のほうがどんどん進むと思われる。こちらはダブルスクリーン、セカンドスクリーンなどとも言われる。
テレビ番組にて「Twitterハッシュタグはこちら」という説明が出ることに違和感がなくなっているが、Twitterが日本語サービスを開始したのは2008年のことである。スマートフォンがブレイクするきっかけになったiPhone 3GSはまだ登場していない。
2013年はスマートフォンの普及がさらに進み、その環境変化に対応するためにはiPhone、Androidの両方をおさえておく必要がある。
効果的にO2Oを実現するために Facebookページでのファン獲得方法とNFC活用のヒント
PAGE2013クロスメディアカテゴリ(AR、電子書籍、スマートテレビ)
(JAGAT 研究調査部 木下智之)