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昨年から話題だった講談社のデジタル印刷機が正式に稼働しだした。page2013でも講談社様にはお話しいただくが、2013年に出版・印刷業界が変わることは間違いがなさそうだ。
2013年1月28日(月)にHPがデジタル印刷関連のセミナーを東京目白の椿山荘で行った。これは講談社ふじみ野デジタル印刷製本工場の正式稼働に伴っての記念セミナー的な位置付けで、椿山荘から観光バス6台を仕立ててのふじみ野工場見学であった。帰りもバスで椿山荘に戻り、懇親会を椿山荘で行うという強行軍ながら、無事に終了したところなど、いかにも今までのオフセット感覚の余裕を持ったスケジュールとは大違いのものだった。
もちろんセミナーのメインは講談社の梅崎業務局長だったのだが、要旨を紹介すると、まずは動機付けになったのは「取次の入荷制限」や「製造部数の抑制」という環境に対して「少部数でも採算の取れる製造システム」が必要となり、講談社のグループ会社の力も合わせて自社で設備を持つに至った説明から始まり、小ロット化で講談社が期待する効果は以下のようになる。
等が考えられる。
講談社が設備選定にこだわった点は以下のごとくであり、選定した機械はHP T300 Color Inkjet Web Pressであり、Muller Martiniのシグマラインがオンラインで繋がっている。正直オフ輪工場のイメージであるが、講談社もオンデマンドという考えはなく、小ロット対応のデジタル印刷機というとらえ方をしているようである。
今後奥付に講談社ふじみ野デジタル印刷製本工場という表記された本が市場に出回りはじめるのは事実であり、世の中は大きく変わっていくだろう。目標としては月産16〜20万冊目指しているということであった。
梅崎局長はpage2013カンファレンスの「デジタル印刷で新領域に挑戦」 にも御登壇いただき、良いことだけではなく実際の問題点等にも言及してくれるということである。
(JAGAT 研究調査部 部長 郡司秀明)
梅崎局長
実際の商品としての三国志
奥付には講談社ふじみ野デジタル印刷製本工場と誇らしげに表示されている。
2月7日(木) 15:15-17:15
スピーカー: 講談社 梅﨑 健次/共栄メディア 市川英人 /三菱製紙 木村 篤樹/JAGAT 郡司秀明