JAGAT Japan Association of Graphic arts Technology


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売れる広告表現(見せ方)にはわけがある 「顧客ビジネス支援マーケティング・ワークショップ」報告

掲載日: 2013年02月20日

感情を呼び起こし、理解を深め、記憶に残り、矛盾や葛藤を解消し、行動を喚起することができれば、1枚の広告チラシが大きな力を発揮する。

毎年2月第1水曜日から金曜日の3日間開催しているpage展は、展示会だけでなく、カンファレンスとセミナーを3本の柱とする構成に特徴がある。今回はさらに新たな試みとして、顧客の販促のためのコミュニケーション支援をテーマとした「顧客ビジネス支援マーケティング・ワークショップ」を開催した。
カンファレンスとセミナーが1セッション2時間なのに対して、ワークショップは1セッション3時間で、限られた時間ではあるが座学にとどまらない参加型の構成となっている。
全4セッションの中から初日に行われた「顧客の売上を確実に高める~驚きのレスポンス広告術~」を受講した体験を報告したい。

講師の岩本俊幸氏(イズ・アソシエイツ代表取締役)は、ワークショップの目的を「売れる広告表現(見せ方)とはどういうものかを事例を通して知る」→「広告づくりの心構え、考え方、設計手順を習得する」→「セールスエンジニアリングデザイン(SED)の型(フレームワーク)を持ち帰っていただく」→「広告・販促物の効果を上げるための指示が出せるようになる 今までの広告・販促物の改善ができる」ことだと明言した。
そして、受講者全員に参加した目的をレジメに記入することを求めた。2分間を与えられて「私は、この講座が終了した時に……」の後に続く言葉をまとめることによって、明確な目標の設定が、受け身ではない受講態度につながり、モチベーションアップにつながることになる。
15名ほどの参加者は何を書いているのだろう。もちろん私も書きました。私の目的は実にはっきりしている。実はJAGATでは岩本講師による通信教育「レスポンス広告作成術習得講座(仮)」の6月開講を目指しているのだ。この機会に、通信教育教務担当者として、セールスエンジニアリングデザイン(SED)とは何かを理解しておきたいというのが本音だ。印刷会社から参加された皆さんとは目的が違いすぎるが、ここは受講者の皆様の反応も知りたいという気持ちもあった。

プロローグでは、書道教室の集客チラシ、カイロプラクティックの告知ポスター、美容室のミニコミ誌広告、エステティックサロンの新聞折込広告の実例写真が投影されて、どの広告が反応が良かったのか考えることになる。岩本講師自身が実際にパターンを変えた広告を作成して、顧客の反応(レスポンス率)を確認したものなので、レスポンス広告としてのどのパターンが正解なのかは既に明らかになっている。そして、その理由を岩本講師は解き明かしてくれて、少しずつポイントがわかってくる。
さらに、学習塾やフラワーショップのチラシ改善策を示されると、なるほどと得心がいく。顧客の反応がよかった広告には、良かった理由があって、その理由を明らかにして、その手法を応用することが改善策となるのだ。

「確実に販売につながる広告」はどのようにつくればいいのか。この問題の解決の糸口を見つけるための手法が、岩本講師が開発したセールスエンジニアリングデザイン(SED)である。SEDは広告づくりの「型」であり、着手条件、レイアウトやアイキャッチの指標、ストーリー要素、メッセージ開発など体系化された手法であることから、再現性があり繰り返し使えることも実証されている。

AIDMAの法則では現代の消費活動に影響を及ぼすのは難しくなっている。そこで、心に刺さる消費者行動理論として、AUMFA(アウムファ)と呼ばれる5段階のプロセスを広告のストーリー要素として盛り込むことを岩本氏は提唱している。
aumfa.jpg

売れる広告表現は、アイキャッチで「感情を呼び起こし」、詳しく、わかりやすく伝えることで「理解を深め」、広告誌面上で体験してもらうことで「記憶に残り」、圧倒的な証拠を見せることで「矛盾や葛藤を解消し」、申し込み方法などを示すことで「行動を喚起している」ことを豊富な事例からわかりやすく解説してくれた。

3時間という駆け足の時間ではあったが、顧客の販売促進活動に対して費用対効果の高い「レスポンス広告」の理論、事例を楽しく学ぶことができた。

(JAGAT CS部 吉村マチ子)

 

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