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位置情報ARによる地域活性事例【開催レポート】

掲載日: 2013年02月24日

AR宝探しゲームの仕組み

位置情報系ARプラットフォームで大手の「Layar」(近年カメラ系AR機能も追加)は、官公庁、自治体などからも問い合わせが多くなっているという。観光や地域活性を目指して、スタンプラリーなどを実施するために位置情報ARが注目されている。

あるレジャー施設向けの案件では、レジャー施設内に配置した10個の「宝」を探すという仕掛けである。施設内の風景にスマートフォンをかざすと、宝がどのあたりにあるか、エアタグが浮かんでいてヒントとなっている。実際にその場所に行ってみると、宝をゲットするためのポスターが掲示してあり、今度はそのポスターを画像認識させて宝を表示させる。

位置情報系ARとカメラ系ARを組み合わせることで実現できている。このような例では、10個のうち9個を先に見つけ出せないと最後の1つが出現しない、といったスタンプラリーのような使い方も可能であるという。

行動連動アプリ

エポネット丸田氏は、ロケーションベース(位置情報系)ARソリューションを行動連動アプリと再定義した。近年、O2Oという言葉を耳にするようになった。O2Oの意味は、Online to Offlineということで、基本的にはWebの世界からリアルの世界へ誘導し店舗などへ集客する施策を指す。しかしそこだけ切り取ってもビジネスとして成立させることは難しいのではないかというのが丸田氏の意見だ。

行動連動アプリとは、Offlineでのユーザの行動を起点とし、行動連動アプリ(Online)に繋げ、店舗などへの集客に繋げる。OfflineからOnlineへ、そしてそこからOfflineへ繋がるイメージである。なぜオフラインが起点となるのか。近年のスマートフォンの急普及により、各自が持つ端末が高機能、センサーの塊となっている。ユーザの行動をスマートフォンのセンサー群によって拾い、最適なサービスを提供する。すなわち、

  • 所定の場所に接近
  • 所定の場所にかざす
  • 所定の方位にあわせる
  • 振動を感知する
  • 下(上)を向く
  • 動く、止まる
  • 所定画像を認識する

といった行動連動トリガーを使ったサービスを設計することが重要となってくる。そこに驚きや満足を提供できる。

測位精度が向上する

現在のGPS利用サービスは、位置情報の精度が正確でないという面がある。もともと車載の位置情報を志しているため、道路幅程度の誤差はカバーされていた。しかし人間が歩き回る位置情報となると正確性を期すためには10mの誤差というのはサービス設計上、厳しいものがある。

しかし「準天頂衛星みちびき」の打ち上げ以降、この正確性が期待されている。というのは、GPSの測位を補強するためのプロジェクトが進むことで、これから数年後、2010年代後半では誤差1mほどになる可能性もあるという。 そうなると、本当に自分が居る位置に正確に連動したサービスも生み出すことが可能となるだろう。

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