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商業印刷物の目的は顧客の意図する情報を的確に伝達することにある。
依頼する顧客側にとっては、伝えたい情報が過不足なく表現されているかどうかが重要である。技術的に完成度が高くても、デザインが美しくても、意図するものが伝わらなければ、商品としては成立しない。消費者に顧客の伝えたい情報が届き、売上げに貢献できるかどうか、顧客視点に拠った姿勢が求められる。
顧客の要求にそってブレのない印刷物を制作するには、顧客の要求や意図を正確に把握する必要がある。商品やサービスの特性、対象となる消費者や市場の傾向を分析し、デザインの方向性を決定するところから、作業がスタートする。制作者は、絞り込まれたコンセプトを制作工程に乗せ、印刷物として具体化する。より効率的にクオリティの高い印刷物を仕上げるためには、デザインの基本設計をおさえておく必要がある。
デザインの役割は「情報の視覚化」であり、「文字」「写真」「図形」といった印刷物の構成要素をコンセプトにそって適切に配置することにある。情報を整理し、設計手順を決めておくことによって、説得力あるデザインが生まれ、作業を効率よく合理的に進めることが出来る。
DTPツールによるデジタル化された作業環境では、表現上の様々なシミュレーションが短時間で容易に行えるという利点がある。逆にコンセプトが曖昧なままだと、視覚的な面白さや目新しさにとらわれ、本来の目的からはずれ、デザインだけが一人歩きすることになりがちである。DTPツールの機能を熟知していることと、効果的なデザイン設計は別物である。論理的な手法を通して、顧客から商品に託されたメッセージを最大限に引き出すことができてはじめて成果を生むことができる。
JAGATでは、制作担当者・DTPオペレーターのためのデザイン理論や色彩理論を習得するトレーニング講座を開催している。商業デザインは、顧客の「販売促進」を担っており、商品・消費者心理・情報伝達など多くの分析を試行しながら的確な表現を行うためのセオリーを熟知する必要がある。3回シリーズを通して、デザインに不可欠な設計セオリーを学ぶ。
■デザイン&色彩設計のセオリーシリーズ(3回・単日受講可能)
1.デザイン力はこうしてアップする
2011年10月18日(火)
2.デザイン制作設計実践講座
2011年11月22日(火)
3.色彩設計実践講座
2011年12月8日(木)
※詳細につきましては、教育サポート部へお問い合わせください。
TEL 03-3384-3113 E-mail:
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