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「電子書籍元年」とも言われている2010年、出版、印刷に携わる私たちにおいて、これまでの常識と電子化によって誕生する今後の常識、方向性を捉えておくことは重要である。
2010 年10 月5 日(火)~ 9 日(土)までCEATEC JAPAN 2010が幕張メッセで開催された。最終日、雨降る寒い日にも関わらず、ものすごい人であふれ、活気に満ちていた。入場料が無料ということもあるせいか、学生や子供を連れた方も多く見られた。
3Dの家電製品をはじめ、情報・通信の最新技術が目白押しの展示会だが、やはりAndroidをベースとした端末に人が群がっていた。
auスマートフォン「IS01」、NTTドコモのAndroidタブレット「GALAXY Tab」とスマートフォン「GALAXY S」、KDDI「IS03」、東芝の「FOLIO 100」、そしてシャープの「GALAPAGOS端末」である。
「GALAPAGOS」には5.5型モバイルタイプと10.8型ホームタイプがあり、5.5型にはトラックボールが搭載され、片手だけでページ送りが可能だ。また、縦書き表示、ルビなどの日本語特有の表現に対応した電子書籍フォーマットXMDFに対応しているのが特徴だ。
先日、シャープとCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が「GALAPAGOS」向けにエンターテイメントコンテンツストア「TSUTAYA GALAPAGOS」を共同開設すると発表した。電子ブックコンテンツ約30,000冊に加え、映像・音楽・ゲームなどを含むエンターテイメントコンテンツについて、国内最大級のラインナップ数を取り揃えていくという。
魅力的なコンテンツを集め、考え抜かれたマーケティングで、その電子書籍を広く知らしめていく。そうして売れる商品をつくりだす。この繰り返しがブランド化につながり、電子書籍市場で勝ち残っていくであろう。
「電子書籍元年」とも言われている2010年、ほとんどの端末は出揃った。
出版、印刷に携わる私たちにおいて、これまでの常識と電子化によって誕生する今後の常識、方向性を捉えておくことは重要だ。扇動的なフレーズも聞こえるが、冷静に現状を把握し情報収集に努め、印刷会社として今何に取り組むべきか考える必要がある。
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この講座では『電子書籍元年(インプレスジャパン刊)』の著者 田代真人氏とJAGAT客員研究員 佐々木雅志氏を招き、電子書籍市場の現状と課題、ビジネス成功のポイント、印刷会社としての取り組み方を考えます。