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本ゾーンでは、page新企画としてeMarketing-Award実行委員会/JAGAT共催による「eMarketing-Award」(eマーケティングアワード)の授賞式および事例発表会を開催。2月6日に行われた授賞式では、eマーケティングアワード授賞企業、7社を、審査委員が講評を交えながら紹介し、印刷会社に向け、顧客のメディア活用へのニーズや、潮流を語った。
今回、優秀賞を受賞したのは、株式会社アポロクリエイト/株式会社エイベック研究所/株式会社東急ハンズ/日本電気株式会社/株式会社ネクスウェイ/パイオニア株式会社/マルコメ株式会社の7社。
本賞は「マーケティング支援の成功事例をPRしたい」というマーケティング支援事業者の要望を受けて、e-Marketing Award実行委員会が、2011年に創設した賞である。eマーケティングとは、ネットワークやITの技術を活用した販売・営業・販促・広告・商品開発などの活動のことを指す。本賞では、コミュニケーション、テクノロジー、マネージメントの3つの視点から評価が行われた。受賞企業と各社の選評は以下の通り。
株式会社アポロクリエイト
3D写真撮影機「フォトシミリ」の販売を行い、そこで汎用のARアプリとしてCGのコンテンツ製作を不要にするサービスを実施。新しい顧客チャネル創りの可能性を提案している。
株式会社エイベック研究所
ネット上で6?8名ほどの限定的なコミュニティの中でクローズドな掲示板を共有し、モデレーターが1日1テーマ投げる質問に、各自が答えを書き込むといった機能をもつオンライン型グループインタビューシステムを開発しており、200社以上の採用実績がある。今回、グループインタビューが米国、インド、オランダの3カ国の海外調査のニーズに応えられるのかを検証し、ネット型グループインタビューの海外調査の手法を新たに開発したといえる。
株式会社東急ハンズ
テクノロジーが進化し便利になることで、買い物がエンターテイメントではなくなったという背景から、「東急ハンズに行ったら面白いものがあり、つい買ってしまう」という買い物体験をしてもらうことに注力。ソーシャルメディア活用による、顧客とのコミュニケーションに一貫している点が評価できる。
日本電気株式会社
B2Bの法人営業において、CRMと営業などをうまく連携しているe-Marketingの好例。独自の購買確度スコアの算出を行い、業務のなかでのトータルシステムとしての機能しているところが評価できる。
株式会社ネクスウェイ
最終的な成果と言える「契約数」のデータが示されていないものの、多くの企業が直面する「組織営業にどうITを組み込むのか」という問題に取り組む上での成功事例として興味深い。
パイオニア株式会社
ブランド醸成のコンテンツとして、「音」をうまく活用している。Facebookを活用して顧客誘引を図っている点が評価できる。
マルコメ株式会社
伝統的な商品特性を新たな顧客層に提供していくうえで、商品企画から開発・販売に顧客の声を反映していくソーシャルな仕組みを構築。顧客ロイヤリティーの創出、流通や大手販社との連携などの取り組みが評価できる。
現在、印刷産業は製造業の枠を超え、顧客が抱える業務上の問題点の解決や要求の実現を行うための情報・サービス産業として生まれ変わりつつある。「eMarketing- Award」受賞企業の事例の中でも、IT技術の活用だけでなく、いかに顧客が求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客にその商品を効果的に展開するかという視点から、様々なメディアを活用した事例が目立った。JAGATでは、eマーケティング等の様々な情報を通じ、印刷業によるコミュニケーション支援をテーマに、様々なメディア、サービス、機能を効果的に活用することを表現し、印刷物が果たせる役割の再認識と発注者への訴求ならびに印刷物の新たな価値を社会に広くアピールすることを目指す。
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2014年2月5日(水)~7日(金)池袋サンシャイン