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パソコン以外の環境でWebサイトを閲覧する人が増えたことで、スマートフォンやタブレットに対応したWebサイトを準備する企業が増えている。ワンソースで複数デバイスに対応したサイトが作れる手法が注目されている。
調査会社のIDC Japanは2013年3月27日、国内モバイルデバイス市場規模を発表した。2012年第4四半期の国内スマートフォン出荷台数はおよそ900万台、国内の全携帯電話端末出荷に占めるスマートフォン比率は77.9%にまで上昇した。
そうなるとスマートフォンの普及率も上昇し、「2人に1人はスマホ」という時代もそう遠くはなくなる。企業側でも、増えるスマートフォン利用者を捕まえるためにWebサイトの対応に気を配るようになる。小さい画面や移動中での閲覧といったモバイルならではの環境でもストレスなく見てもらえるようなつくりが求められる。
最近ではスマートフォンに最適化したWebサイトの考え方として、「レスポンシブWeb」というキーワードが知られている。これは、スマートフォンやタブレット、パソコンといった画面サイズが違うデバイスでも、ひとつのHTMLで対応できるWebサイトを制作する手法を指す。
たとえば先日東京駅にオープンした商業施設「KITTE(キッテ) 」のWebサイトでは、PCで見た場合とスマートフォンで見た場合では異なる画面レイアウトで表示される。
これらのサイトでは、ブラウザ幅を実際に変化させてみると理解しやすい。CSS3のメディアクエリという画面サイズや解像度に合わせてスタイルシートを指定できる仕組みを使い、各コンテンツを可変させたり位置を変化させたりする。特定の幅サイズに固定されないため、さまざまなデバイスに対応したレイアウトができるというメリットがある。反対に、スマートフォンで閲覧したときにもPCサイトの要素が読み込まれるため重くなってしまうことや、設計、コーディングが複雑になるといったデメリットもある。
スマートフォンのような小さい画面サイズのデバイスでWebサイトを見る場合は、PC用のサイトのままでは文字が小さかったり余計な要素があったりしてく読みにくいためデザイン自体を変える必要がある。レスポンシブWebサイトはその解決策のひとつとして、またワンソースで管理できるという利便性からも注目が高まっている。
(『JAGAT info』より一部改変/JAGAT 研究調査部 中狭亜矢)