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KDPにおける自主出版のプロモーション手法

掲載日: 2013年05月13日

アマゾンの個人出版システム「Kindle ダイレクト・パブリッシング (KDP) 」を利用して小説を出版した藤井太洋氏に聞く、「書籍を売る」方法。

「Gene Mapper(ジーン・マッパー)」は中編SF 小説の個人出版プロジェクトで、著者の藤井太洋氏が執筆・編集・出版の全てを手掛けている。Facebook などから人気が広がり、Amazon Kindle ストアのオープンに合わせてKDP(Kindle ダイレクト・パブリッシング)上でも販売開始され、文芸ベストセラー1 位を獲得するまでに至った。

KDP により、個人による電子出版が本格化するとみられているが、そこでのマーケティングを含めたポイントを、藤井太洋氏は以下のように解説する。

公式サイトを置き、基点とする

作品ごとに独自ドメインによる公式サイトを作る。この公式サイトをプロモーションの基点とする。ここでは各種リリースノート、発行人情報、紹介記事や立ち読みの提供を行う。独自ドメインは年間数百円程度のコストにしかならないので、ぜひ取得するべきである。作品の発行者・販売者が誰であるのか、関係者は誰であるのか、どこへ連絡すればコンタクトがとれるのか、といった情報を載せておくことは各審査において重要である。

FacebookやTwitterで宣伝

公式サイトにて、ブログを継続的に更新する。そして、そのアクティビティをTwitter へ投稿する。投稿内容としては、ブログの更新のほかにもリリースノートの発信、関連情報の提供などである。

Twitter 上では、話題にしてくれている発言などをリツイートしたりコミュニケーションを行う。さらにFacebook にも情報をシェアしていく。同じことをただ繰り返すのではなく、発信する情報を工夫する。

「やらせ」は行わない

自己資本による買い入れ、自己資本によるレビュー依頼の2つについては行わない。俗に「ステマ(ステルスマーケティング)」と日本で呼ばれた行為は、アメリカでは法律で禁止されている。そして、KDP で販売する以上はこの部分を重要視すべきである。Amazon はプラットフォームの信頼性を損ねる行為に対して、アカウントを削除することはためらわないはずである。プラットフォーム上のレギュレーションはよく理解するべきである。

(『JAGAT Info』2013年3月号より抜粋・JAGAT 研究調査部 木下智之)

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