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最後の蓄積メディアの役割1

掲載日: 2013年05月24日

いまやSDカードは様々な機器に最も広く搭載されているメディアである。

いわくデジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話、ゲーム機、PC、フォトフレーム、テレビなど・・・・。これまで記憶装置の代表はハードディスクとCD・ DVDであった。一方は自由に書き込み・読み出しが出来る大容量の記憶装置、もう一方は書き込みは少し面倒だが、一度書いてしまえば着脱自由で何処にでも 持ち歩けるワンタイム・メディアと云う事である。ところがSDカードはその両方の特徴を兼ね備えた上、形状が小さく更に駆動装置が不要で、モバイル機器に 最適と云う事で、あっという間に普及した。ただしDVDのようにコンテンツ蓄積用のメディアとしては全くと言ってよいほど利用されていない。その理由は明 白である。製品の価格が高いのだ。そしてもう一つ、書き込んだコンテンツの保護(消去や改ざんからの)が不得手なのだ。ご承知のようにSDカードは 128Mバイトの製品が登場して以来、年々容量が増加して今や16Gバイト、32Gバイトのカードが数千円で売られている。確かに記憶容量=バイト当たり の単価は急速に下がっているが、全体の容量が増え続けているので、製品の価格は一向に下がらないという事になっているのだ。ところがそんな中で、従来の SDカードの欠点を補い、コンテンツ用メディアに特化した「SDカード」が登場した。ワンタイム・スマートカードだ。

その1:ワンタイム・スマートカードとは

ワンタイム・スマートカードの特徴を次に挙げてみる。

  • Partial Write Protection機能により、カードに書き込んだデータの消去や改ざんを防止できる。空きスペースには追記ができるので、ちょうどDVD-Rとよく似ている。
    (コンテンツ用メディアとして使われるDVDはDVD-ROMであるが、これと似た規格のSD-ROMと云うものが存在するが、これはスマートフォンなどとの互換性に問題がある事が分っている)
  • コンテンツを暗号化する事で、違法コピーを防止できる。暗号アルゴリズムの鍵長は56ビットと128ビットが使用できるので、ハイビジョン映像の取り扱いも可能。
  • コピープロテクトの他にダビング回数制限、Moveや再生期間、再生回数の管理が可能なので、コンテンツの販売や期限付き貸し出しなどに応用できる。
  • そしてこれが最も重要なことであるが、Apple系を除いたほとんどのモバイル端末機(スマートフォンやタブレット)やパソコンにSDカードは搭載されている。SDカードから生まれたワンタイム・スマートカードは、SDカードとの互換性が極めて高く、暗号方式の規格の標準化を含め、幅広い再生環境が保証されている。 (SDカードスロット非搭載機、もしくはカードスロットが有ってもバッテリーの後ろで出しにくい場合に備えてUSB/SD変換アダプターも準備中である)
  • また専用のプレーヤーソフトが無償で提供される。ソフトはAndroid(4.x)用とWindowsPC用の2種類が用意されるという。
  • その一方、ワンタイムの名の通り普通のSDカードと比べてメディアコストが格段に安いので、いわばCD-ROMやDVD-ROMの代替製品として活用する事ができる。
  • DVDは映画コンテンツのメディアとして開発されたものであるのに対して、これは主にPCやスマートデバイスで再生される事を想定しているために、映像の他、テキストや画像コンテンツもHTML(つまりePUBも)として扱えるフォーマットになっている。

 

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◆著者

  代表取締役 太田明 ( このメールアドレスはスパムボットから保護されています。観覧するにはJavaScriptを有効にして下さい このメールアドレスはスパムボットから保護されています。観覧するにはJavaScriptを有効にして下さい )

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