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Facebook ページはユーザーとの絆を深めるプラットフォームである。そう考えると、「いいね!」をFacebookページに押してもらうことで関係が作られる。
Facebook 活用のメリットは3 つある。ほかの手法に比べて安価にユーザー獲得できること。ユーザーのつながりによる露出で、多くのリーチが獲得できること。獲得したユーザーがストックされるので、宣伝広告費の低減ができること。
ただし、Facebook 自体でビジネスが成立している事例は少ないため、目標・指標を設定するに当たり、売り上げやクーポン利用数などを置くと難しい面もある。したがって、主要業績評価指標だけでなく二次的業績評価指標として、「いいね!」数、自社サイトでのコンバージョン寄与などを見ていくことも必要となる。
Facebook ページの「いいね!」をどのように増やせばよいかが課題になる。多くの場合、100 や200 までは頑張れるが、そこから伸びないケースが多い。Facebook ページを知ってもらうためには、広告、キャンペーン、アプリ(診断系など)、自社ホームページや店舗での宣伝、投稿内容がユニークであることなどの方法がある。そのうち集めやすく即効性のあるものはFacebook 広告である。キャンペーンなども即効性はあるものの、終了してから「いいね!」を取り消す場合も出てくる。
Facebook広告の特徴として、デモグラフィック広告(年齢や属性ごと)が打てること、インタレスト広告(趣味、関心ごと)が打てること、ソーシャルグラフ広告(つながりに対して)が打てることの3 つがある。
そもそもFacebook ユーザーはプロフィール設定を細かく行っているため、広告出稿側も「20 代女性、東京に住んでいる、お酒の好きな人」というように細かくターゲットを設定できる。ソーシャルグラフ広告については、あるユーザーの友達に対して広告を打つといったやり方である。デモグラフィック広告、インタレスト広告から始めて、ソーシャルグラフ広告へ進めていくことになる。
Facebook 広告によりユーザーを獲得してからがスタートである。興味を持ってもらえるコンテンツを提供(投稿)してこそ、つながりを継続できる。投稿によって反応も異なるので、こつこつとPDCA を回していく必要がある。
Facebook ページの目的、想定ユーザーにより一番反応のある時間帯も異なるし、曜日も異なる。朝よりも夜のほうが「いいね!」がたくさんつく場合、土日のほうが「いいね!」がたくさんつく場合など、そのあたりを確認しつつ進めなくてはならない。
ただし自社宣伝となる投稿ばかりでは反応してもらえなくなっていく。興味を持ってもらえるコンテンツを織り交ぜていかなくてはならない。Facebookページのファン数に実際にリーチしているとは限らない。つながりが薄くなっているユーザーには投稿が表示されていないことは十分に考えられる。広告によって得られたユーザーに対して宣伝だけの投稿をしていても、実際に見てもらえているわけではない。
繰り返しになるが、ユーザーとコミュニケーションを取る、有益な情報を提供する、興味を持ってもらえるネタを投稿する、といった姿勢をとりながら運営していくことが重要となる。日頃からつながりを構築できている状態になって初めて、自社Web、自社店舗などへの誘導、販促へつなげることが可能となる。
(『JAGAT Info』2013年4月号より転載 クロスメディア研究会 木下智之)