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3DCGデータは専用のソフトで作成するため、それなりのスキルと知識が必要になる。ちんとした3DCGデータなしで3Dプリンターから簡単に高精度な生成物が出力できるわけではない。
最近ではそれほど精度を必要としないものであれば、PCやiPhone上で簡単に3D データを作成できるソフトも提供されている。また、その他3Dデータ関連のWebサイトにアップされている既存データも利用することができる。
また、3 次元測定機を用いて対象物を測定し、3D データを作成することもある。接触方式の測定機では自由に曲がるアームの先に取り付けたセンサーで対象物をなぞり、3次元データを作成する。
非接触方式では、レーザーを使って測定を行う。非接触方式は自由曲面を多く含んだ複雑な形状のデザイン、工場や化学プラントのレイアウトや歴史的建造物などのデータ化に用いられている。このような3次元測定機は精度の高い3Dデータを作成することができるが、機器は非常に高価である。
カメラと特殊光を利用して3次元データを作成する方法もある。スポット光、ライン光、スリット光などの光源を使って対象物の表面をスキャンし、三角法を用いて空間座標を取り込む。この方法では機材として投光器、専用カメラ、基準チャートなどが必要となる。
写真を使った3Dデータを作成する方法もある。例えば対象物をいろいろな方向から撮影し、被写体の対応点を求め3Dデータを作成するソフト(Autodesk 123D Catch など)がある。
この方法は比較的簡単に3Dデータを作成できるが、対象物が透明なものや金属などの場合は光を反射するなどして、データを正確に求めることができない。
そこで撮影対象物の表面に艶消しの処理、柄や複雑な模様を加えるなどして撮影する。また、撮影の時に見えていない部分は、3Dデータを作ることができない。そのため3D データの欠落した部分はなんらかの方法で補完しなければならない。この辺りはまだまだ個人や企業のノウハウに依存するところであり、いろいろな方法があるようだ。
(『JAGAT info』2013年10月号より抜粋)