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無料で毎月1冊フォトブック「ノハナ」の着眼点

掲載日: 2014年01月22日

「毎月1冊、無料でフォトブックが届く」という、びっくりするサービスがある。

はじめたのは印刷会社ではなく、ソーシャルメディアやゲーム事業を手掛けるミクシイの子会社、ノハナだ。ユーザーはアプリをインストールした後、スマートフォンにアップロードした写真から20枚を選び、テキストを追加してフォトブックデータを作成する。

出来上がったデータは印刷・製本されて毎月無料(送料はかかる)で1冊受け取ることができる。サイズは14cm四方の手のひらに乗るサイズ。2冊目からは有料(1冊525円)で注文するが、家族や親せき向けに注文する人も少なくない。

ノハナ

2013年2月にアプリ提供を開始してから約1年、現在のユーザー数は60万人、1か月に制作されるフォトブックは15万冊にのぼる。利用層は男女比が4:6くらいで、子どもの写真をフォトブックとして残しておきたいという用途が多い。社長の大森氏自身も、子どもを持つ親としての経験から簡単に紙のフォトブックが作れるサービスを思い付いたという話だ。

気になるのは、商品であるフォトブックが無料で、なぜビジネスとして成り立つのか、という点だ。ノハナの収益源は、2冊目以降のフォトブック購入による売上に加え、フォトブックを送付するときに同梱されるチラシの広告費もある。さらに次の収益源として、新たに出張撮影サービスもはじめた。

このサービスの着眼点は、「スマホで写真を撮るけどプリントは面倒くさい、でも記念として残しておきたい」というギャップだ。時間がない若いママでも簡単に使える操作性、1冊無料という気軽さ、それをアプリ+広告モデルで実現したのがノハナである。

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(JAGAT 研究調査部 中狭亜矢)

 

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