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PAGE2009ダイレクトマーケティングトラックF2報告
2009年2月5日(木)のPAGE2009ダイレクトマーケティングトラックF2「メディアの中のダイレクト・マーケティングの変化」では、(社)日本通信販売協会 理事 柿尾正之氏、クラブツーリズム(株)総務部 広報課長 真柄 徹氏、(株)ファンケル ブランド創造マーケティング室 顧客マーケティンググループ 中村光輝氏がそれぞれ講演。
はじめに、(社)日本通信販売協会 理事 柿尾正之氏より、各年代における新聞を始めとした各種メディア需要の変化を示していただいた。また、広告費の変遷や大手流通業界の売上、インターネットユーザ数の推移なども紹介いただきメディア環境の過去から現在にいたる変化などを講演いただくことによってトラック全体の問題提起をしていただいた。特に新聞、テレビ、ネットの利用状況を過去数年と比較した数字では、新聞、テレビともピーク時から年々激減しているが、それに対してネットは年々増加の傾向にある状況を報告いただいた。また、流通大手とネット販売の売上額なども同様の現象で、大手流通が年々売上を減少させる中、ネット販売が年々売上を伸ばしていることについても触れていただいた。
続いてクラブツーリズム(株)総務部 広報課長 真柄 徹氏より、シニア世代を中心に、「自然」「文化」「仲間」をテーマにした旅を提供する同社のミッションに関わる様々な取り組みについて紹介いただいた。なかでも、同社が発行する機関誌「旅の友」の役割について紹介いただき、全国で360万世帯の会員(クラブツーリズムの顧客)に毎月配布され、旅行商品メディアであると同時に顧客とのコミュニケーションツールでもあることが述べられた。「旅の友」では、更に顧客の趣味趣向、居住地域、年齢などの属性に応じたテーマの旅を用意し、属性に応じた旅のパンフレットを同封するといった方法をとっていることも紹介いただいた。また、顧客参加型事業として、「旅の友」の配送業務をサポートする「エコースタッフ」やツアーの添乗業務と旅の仲間づくりをサポートする「フェローフレンドリースタッフ」についても紹介いただき、マス媒体を中心としたメディア環境の変化の中で、こうした顧客一人ひとりに合わせたメディア活用と顧客参画というシステムが顧客との関係を強固なものしているとの説明がなされた。
最後に(株)ファンケル ブランド創造マーケティング室 顧客マーケティンググループ 中村光輝氏より、「ファンケルのダイレクト・マーケティング」について講演いただいた。講演の中では、カタログ通販、インターネット、直営店の3チャンネル間で顧客情報を共有する独自の顧客マーケティングの仕組みから、顧客の声を活用する仕組みに至るまでのファンケルのブランドファンを創造するための独自のマーケティングについて言及された。ただ、こうしたブランドファンを創造するために、メディア環境の変化に合わせ、「差別化」「分析」「マーケティング」「プロモーション」「評価指標」「目的」の各項目ごとに従来と異なる戦略をとっていることが説明された。