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単なる紙コンテンツのデジタル化ではない、メディアの力を活かしたパンフレットを掲載・成功している。
大学への入学希望者総数が入学定員総数を下回る全入時代を迎えるなか、大学では来校者増、資料請求者増を目的としたさまざまな取り組みを進めている。学生募集施策のなかには嘉悦大学におけるYouTube・ニコニコ動画の利用など、メディアを活用した取り組みも少なくない。いずれにしても、いかに自学に対して興味を持ってもらうかがひとつのポイントになる。
MMD研究所が2008年7月に公表した調査結果によると、進路を考えている学生が大学・短大を知ったきっかけとしては「雑誌の記事・広告」がもっとも多く35.1%であったが、「PCで検索」が33.8%、「ケータイで検索」が20.9%となっており、学校を知る手段としてWebからの検索が主要なもののひとつとなっている。そのため大学を探すためのポータルサイトからの誘導に力を入れている学校も多い。
大学進学情報のポータルサイトでは、オープンキャンパス情報や学内・学生の写真、入試情報など進学に関する情報を写真・動画を含めて掲載している。各大学の情報を探す方法は、都道府県、あいうえお順、学部系統・学科分野などのインデックスから検索するか、Web上のデータからフリーワードで検索できるようにしている。
ディスコが運営している「日経進学ナビ」では、検索機能に特化した「Smartパンフ」というeBook形式で大学パンフレットを掲載している。ベースは紙媒体で発行された大学案内で、それをスキャナで読み込んでXML情報を付加、データベース化することで全てのパンフレット間を横断して検索することができるようにした。現在では1万5000ページ、約2億のキーワードで検索することが可能となっている。
Smartパンフの導入により、同社では学生向けに配布する総合パンフレットの印刷部数を減らしてコストを削減しただけでなく、掲載大学に対するパンフレット請求数もアップし、売上を伸ばしたという。Smartパンフを提案・制作しているイングカワモトは、単なるデジタルブックではなくシステムとの連携モデルを得意とする企業であり、データベースと連携することで他社製品との差別化をはかった提案を多くおこなっている。
【関連情報】
「紙メディア、次の一手を探る[クロスメディア研究会・3月] 」
2009年03月26日(木) 14:00-16:00(受付開始:13:30より)
単なるデジタル化ではない、メディアの力を最大限に活かしたサービスを付加し顧客のビジネスを成功に導く事例を紹介。
・データベース連携で差別化・新サービス創出【その2】
・クロスメディア研究会ブログ