本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
バリアブルデータ処理の最新動向
印刷市場が低迷している中、唯一の成長分野と注目されているのがデジタル印刷とバリアブルプリントである。バリアブル処理を行うソフトウエアも進化しており、それによってビジネスやダイレクト・マーケティングにも、大きな影響を与えている。
■シンプルプロダクツのバリアブル技術
シンプルプロダクツでは、文章物ではなく、カセット式(コマ割り)レイアウトにおける自動組版を追求してきた。データベースからデータを取り出し、例えばあるデータとあるデータを付け合わせ、値が同じなら、マークを出す。または、表、グラフ、バーコードなど、データとして存在しないものを自動的に発生させるなど、情報処理型の自動組版を行ってきた。
さらに、サーバーサイドで顧客のデータベースと自動組版ソフトを接続・実行するWeb to Printにも取り組みんでいる。ユーザーはWebブラウザからボタン一つで指示を行い、精細な組版結果を確認できる。その他にパーソナル約款や金融レポートなど、データベースと連動した高精細な印刷物を得るための技術を追求してきた。
■Form Magicの機能
バリアブルプリントの代表的な用途は、ダイレクトメールである。例えばペットショップが顧客に郵送するダイレクトメールでは、カスタマーバーコード生成や、犬の体重推移を棒グラフで表現したり、犬の名前や種類などのデータを付加して自動組版することができる。個々の生徒に配る成績表をForm Magicで行う例では、成績の推移をレーダーチャートやグラフなどで表現できる。
バリアブルプリントソフトとして、指定のエリアに対してあふれた文字を詰め込む処理も必要になる。文字数によって、長体や平体にしたり、行間を自動調整することができる。
海外旅行の参加者に届けられる旅のしおりも作成することができる。行き先に応じてタイトル画像を差し替える。ツアーディレクターの顔写真と氏名、参加者の住所情報から交通手段の画像を差し替えた表組もForm Magicで処理できる。
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バリアブルプリントのキーワード
バリアブルは日本の商業印刷では始まったばかりで、ツールを導入して、すぐ受注できるわけではない。むしろ、制作の合理化、自動化の延長にバリアブルがあると考えるといい。
(テキスト&グラフィックス研究会)
※この続きと詳細は、テキスト&グラフィックス研究会会報No.279に掲載しています。