JAGAT Japan Association of Graphic arts Technology


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普段の仕事のやり方を変える エキスパートになろう!!1(クロスメディアエキスパート人物像)

掲載日: 2009年06月08日

 

エキスパート認証制度のWebサイトをオープンしました。
今後の情報発信は、下記URLにて行います。

[新サイトURL]
http://www.jagatexp.info

クロスメディアエキスパートとは、情報資源を紙、DVD、インターネット、モバイルなど多様なメディアへ効率的かつ効果的にクロス展開することができる、デジタルメディア制作のディレクターである。

 

クロスメディアエキスパートような人材モデルは今日いろいろなところから求められている。それはメディア制作会社に限らず、SIerであったり、またビジネスそのもののIT化によって、一般企業の中でもそのようなリーダーになって働ける人が必要になった。

どうすればそういった人になれるのか? クロスメディアエキスパート認証試験に受かればそうなれるわけではなく、そのように人を育てる仕組みが必要である。ただしクロスメディアエキスパートのモデルに示されたような仕事をしている人であれば楽に受かる試験である。

試験そのものは学科と長文読解による論述形式であるが、そこでは自分の頭で考えて書くことが試される。普段から人の作った提案の書き写していては論述はできないし、そもそもそのような仕事では顧客に響かない。この試験は仕事に必要なスキルを求めているので、受験対策とはいっても日常から訓練されていなければならないし、逆に受験が普段の仕事のやり方を変えるきっかけにもなり得るものである。

日本でもデジタルメディア制作は多く行われているものの、優秀なマネージャがいても後輩を教えられないところが多い。教えるコミュニケーション技術が足りなくて、なぜそうするとうまくいくのかという知識と経験の体系化がうまくいっていない。

現場に出て経験を積むとか、経験豊富な先輩に同行して徐々に学ぶだけでは時代に追いつけないので、経験を加速する訓練方法が必要である。それは正しいコミュニケーションをするためのロジカルシンキングを身につけることである。それができて、後輩からそうなりたいと目指される人がクロスメディアエキスパートのモデルである。

IT業界は、ITSS(ITスキルスタンダード)があり、営業マン、インストラクター、マーケティング担当者、プロジェクトマネージャ、エンジニアなどいろいろなタイプの仕事に分け、7段階で評価する。レベル1と2が初級、3から4が中級、5-7がトップクラスで、世の中にレベル5以上の人はほとんど存在しない。

40台後半になると自分は上級にいると思いがちだが、どんなに凄腕の営業マンでも一人でこなせるだけでは中級である。上級と中級を分けるものは、人に教えることができるかどうかで、独力でできるだけでは充分ではない。人に継承できて初めて技術とITの世界では言われている。

昔から職人芸の域があり会社の仕事でも属人化している場合がある。そうではなく、ノウハウが体系化されて、組織の人々の身について、属人的ではないところで会社のレベルが上がっているかづかが問題である。その上にその人にしか出来ないことがあれば素晴らしいが、属人的で全体のレベル向上に役立ってないものは、会社にとっては財産というよりも、むしろリスクである。

エンジニアにもともとコミュニケーションが嫌いで、それが顧客との意思疎通を悪くしていると考えがちだが、エンジニアはコミュニケーション能力が無いのではなくて、コミュニケーションをする場に、その人を出さなかった組織の責任が大きい。コミュニケーションは、その場に出さないと、身につくものではない。顧客に対して基本的にコミュニケーションが出来る人でなければ仕事は進まないし、人を育てられないのである。

【出所】
2008年12月22日(月)実施・クロスメディアエキスパート認証試験・講評セミナー
「知識を活用した提案フレームワーク ~得意先の要件を整理するには~」 佐々木雅志氏講演 より 

【全4回シリーズ】

  • 多様なメディアを扱う (その2)
  • お客様が採点する (その3)
  • ロジックで考えてコミュニケーションする (その4)

クロスメディアエキスパートキャリア設計

  • プロデューサーと親和する制作ディレクター

 

 

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