JAGAT Japan Association of Graphic arts Technology


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死にたくないっ!

掲載日: 2009年06月07日

[若手印刷人リレーエッセイ 5月] 生活習慣病は薬じゃ治りません。でも自分で治せます、生活習慣を少し変えるだけで。

「死にたくないっ!」

と、生まれて初めて本気で思ったのは、今から5年少々前、40歳になって2カ月後のことである。
40歳の誕生日を目前に、20年以上吸い続けたタバコをやめようと思い、町医者でニコチンパッチを購入した。長年の暴飲暴食の結果、30代前半から一流の高脂血症であった。いわゆる"4大生活習慣病"の一つである。タバコをやめると太る話もよく聞くし、高脂血症も最近は良い薬があると聞いていたので、これも併せて治そうと2カ月分の薬を処方してもらった。

禁煙は非常に順調に、ストレスもなくいい感じで進んでいた。
がしかし、約1カ月半ほど経ったころ異変が。眠れない。背中がつる。顔がけいれんする。全身にジンマシン。甘味を感じない。ものすごくだるい。笑えない。起き上がれない。これはおかしい…。

町医者に行くと「ひどい肝機能障害だっ! 中性脂肪も倍以上になってるぞっ!! アンタ死ぬ気か!?」と。2週間後に精密検査の予約をされ、それまでおとなしくしてろということになった。
そこで「俺はどんな薬を飲んでたんだ?」と思いネットで調べてみる。そこには副作用として自分と同じ症状がすべて書かれている。その最後には赤く大きな字で「ごくまれに重篤な肝機能障害を併発し死に至る可能性があります」と。

「ふざけるな、嫌だっ、死にたくないっ!」
薬もやめ、自分なりにできる限りの節制をして検査に臨んだ。結果は全数値が2週間で4分の1に、投薬前の半分に、全数値が正常になっちゃった!!

そっか、生活習慣病って生活習慣を変えると治るんだ!! 目からうろことはこのこと。
ちょうどその頃たまたま見た本に「出せば治る」みたいなことが書いてあり、なるほどそうか、入れなきゃいいのか、出しゃーいいんだなって思っちゃった。そこからである、自力で健康になっていくことがとても楽しくなってしまったのは。

薬もサプリもやめた。お酒もおいしいものだけを少なめに。ジャンクフードも卒業。出すほうは何を出そう? まずは汗だな。でも走るの嫌いだし、夜は飲んでるからジムも行けないし。だったら風呂か。これも酔っぱらってて頭の血管切れても困るから朝にするか。


というわけで毎朝、ガッツリ風呂入ることにした。始めてみたらこれが超気持ちいい! でも最初は5分浸かってるのが限界。そこで防水ラジオを購入。なかなか快適快適。でも、ただ聞いてるだけだと10分しか耐えられない。どうしよう…歯でも磨いてみるか。1本ずつ丁寧に磨くとたっぷり15分。そのころにはもう汗だくだく。これはいいや。

入れるほうも本当は3食全部を腹八分目が良いらしいけど、そんなの無理。そもそも夕食は夜な夜な宴会だし。そこでもともと朝はほとんど食べてなかったので、野菜ジュースだけにしてみた。
お昼は大のそば好きなので、基本はそばしばりに。そして夕食は得てして「焼き鳥」だ、「寿司」だ、「焼き肉」だと肉類がメインになるので、野菜とタンパク質を中心にして、ご飯類は極力入れないように。炭水化物を取らないと、かなりしっかり食べても、いっぺんにはそんなに食べられない。結果、1日の合計カロリーはだいぶ少なくなる。

そうやって朝、風呂入り、ちょっと食べ物気にして3カ月、「死ぬ」って思った時に72Kgだった体重は65Kgに。体脂肪も33%が19%に。ちなみに身長は昔から161cmしかないが…。


このころには、前の日がどんなに遅くても、風呂入りたくて目が覚めるようになっていた。要するに習慣になったのだ。15分も全身浴してると内臓までしっかり暖まる。そうするとそれが結果としてすごく新陳代謝を促してるみたい。40過ぎると加齢とともに代謝はどんどん下がる一方。にもかかわらず入れるほうが今までどおりだと完全に黒字決算になっちゃう。それこそが生活習慣病なんだね。

朝風呂もただ入ってるだけにだんだん飽きてきて、折角「腹の底」からウォームアップできてるわけだから、その状態でちょっと動いたらすごく効果あるかもとひらめいいた。そこで風呂場でできる運動って何だろう? そうだ「踏み台昇降」がいいかも。ってことで、風呂おけにフタして登り下りしてみる。これがめちゃめちゃ効く。左足から20回、右足から20回。これを2回くらいが最初はつらかった。でもしっかり汗が出始める。で、つらくなったら目の前の湯船にドボンッ! 瞬間リフレッシュ。

そのうちに徐々にエスカレートしてきて、2回が6回に。さらに今度は、足だけじゃもったいないと考えて、1Kgとか2Kgのダンベルを持って肩とか腕の筋トレしながら登り下りをするように。
このエアロビならぬ「おフロビ」、最大の利点は天候の影響を受けないこと! さらにジムのように時間の制約がなく、かつ往復のロスもない。そしてタダ!! また冬場は風呂場を暖めるために熱湯のシャワーを出してミストサウナ状態にしてから登り下り。これで風邪もほとんど引かなくなった。

そうしてとうとう1年後には体重61Kg、体脂肪率は10%になっていた。計算してみると脂肪17Kg減、筋肉は逆に6Kg増えていた。そして心肺機能も格段に向上し、ビルの5階くらいなら走って登ってもハァハァしなくなった。厄年過ぎてから、とっても燃費が悪くて、代謝の良い身体を手に入れちゃった。

今では約45分のおフロビの後、しっかりストレッチをし、足上げ腹筋(昔ロッキーがやってたやつ)を15回ずつ。これがボクの生活習慣になった。もちろん、二日酔いの朝などは、思いっきり手抜きするけど。
燃費が悪いから、年末年始などにたらふく飲んで、たらふく食って2~3Kg太っても、1週間くらい、食べる時に少しだけ気を遣うとすぐに戻るようになっている。


生活習慣病は薬じゃ治りません。でも自分で治せます、生活習慣を少し変えるだけで。皆さんも健康に良い年取って、幸せに生きてみませんか?

[著者紹介] まつうら氏写真


松浦保(まつうら・たもつ)。セアール代表取締役社長。1963年12月1日生まれ、45歳、東京都出身。祖先は群馬県甘楽町松平家家老職(17代目末裔)。青山学院大学経営学部1990年卒。趣味はアルペンスキー、子育て、木こり、飲むリエ。

株式会社セアール
1989年4月1日設立(お陰様でこの4月1日に20周年を迎えました)。「想いをカタチに」をテーマに、造り手の想い、売り手の想い、買い手の想い、それぞれの想いを最善のカタチに現す会社です。
シール印刷業から始まり、現在はライセンス事業、セールスプロモーション事業、クリエイティブ事業の4つを柱に営業しています。

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