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労働時間は2年連続増加、給与は2年連続減少

掲載日: 2009年06月06日

【印刷界OUTLOOK2009】その1・労働

印刷業の年間労働時間は約2090時間

2007年の事業所規模5人以上の印刷業における平均月間実労働時間(所定外労働時間を含む)は174.1時間で、年間では2089.2時間となった。前年の月平均170.9時間、年間2050.8時間から月間で3.2時間、年間で38.4時間増加した。

5人以上の製造業全体では、月平均166.2時間(前年166.7時間)、年間では1994.4時間(同2000.4時間)で、わずかに前年より減少した。サービス業や卸売・小売業などを含めた調査対象産業全体5人以上の総労働時間数は、年間で1808.4時間(同1810.8時間)で、他業種に比較して製造業は労働時間数が多くなっている。

印刷業の労働時間は、製造業の平均や広告業、紙・パルプ業より長く、近年は輸出で業績を伸ばしてきた自動車・同附属品製造業と同水準になっている。多品種少量短納期化の進展による影響が出ているのかもしれない。

日本の製造業の労働時間は欧米より長い

日本の製造業の労働時間を諸外国の製造業と比較してみると、2006年の年間実労時間(製造業・生産労働者)の国際比較では、日本の2003時間に対して、アメリカ1962時間、イギリス1874時間、ドイツ1538時間、フランス1537時間となっている(生産性労働情報センター『2009年版活用労働統計』)。1993年以降アメリカとはほぼ同水準であったが、2003年以降少し差が広がっている。また、ドイツ、フランスとはかなりの差となっている。

印刷業の所定内給与は26万円

2007年の印刷業の平均月間所定内給与(定期給与のうち残業代を除いた額)は、26万477円で前年の27万148円から9671円の減少となった。また、残業代を含めた定期給与ベースでは28万9067円で、前年より1万2583円減少した。一方、製造業の平均月間定期給与は、2006年の30万5977円(所定内給与27万1808円)から29万8514円(同26万5489円)と7463円(同6319円)減少した。

印刷業の平均は残念ながら製造業平均を下回り、2007年は紙・パルプ業と同水準になっている。

注:文中のデータは原則として、厚生労働省「毎月勤労統計調査 年報2007年」の事業所規模5人以上の統計データに基づく。

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