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購買データが取得できる方法に変わってきたクーポン。ターゲット層のスマホ利用増加にあわせて最近ではスマホアプリで提供する例が増えている。
ネット調査会社のニールセンによると、1か月間にスマートフォンからWebサイトやアプリを利用する時間は、1人あたりおよそ40時間だそうだ。利用対象をアプリのみに絞り込むと約31.5時間、Webサイトのみに絞り込むと約13時間あまりで、アプリを利用する時間がWebサイトを利用する時間の2倍以上になるという結果である。またアプリの利用・訪問者数ランキングでは、1位がLINE、次いでGoogle Play、Google Maps、Facebook、Google Searchと続く。(ニールセン Mobile NetView 2013年3月データによる)
この調査結果からは、Webサイトと同様、またはそれ以上にスマートフォンアプリが使われていることがわかる。また2位にアプリストアのGoogle Playがランクインしていることから、スマートフォンユーザーが頻繁にアプリを検索して、気に入ったものをダウンロードしている様子もうかがえる。
またこの調査結果では、LINEやFacebook、Googleのようなプラットフォーム的なアプリに交じってマクドナルドの公式アプリが10位以内にランクインしている点を挙げている。
マクドナルドの公式アプリは、スマートフォンユーザー向けに店舗検索やスマホ画面をレジで提示するクーポン、スクラッチ(これもクーポン)などを提供するものだ。もともとマクドナルドのクーポンは店頭配布や新聞折り込みによるチラシで、利用者が必要分だけ切り取って店舗に持ち込んで利用するものであった。しかしこれでは誰がどのタイミングで何回使ったかを把握することが難しかった。
そこで携帯電話を利用し、利用者登録してもらうことで属性を取得、携帯電話メールにクーポンを配信するようにした。さらにターゲット層のスマートフォン利用が増えるに従いスマートフォンアプリでのクーポン配信もスタートした。利用者の属性と共に実際に利用したクーポン情報を取得することで、購買傾向にあったキャンペーンや、来店頻度に応じたサービスを提供できるようになった。
紙からケータイ、そしてアプリへとカタチを変えるクーポン。ターゲットとなるユーザーに到達する手段として、現在もっとも企業に注目されているのはスマートフォンであり、アプリである。
最近では手軽なゲームや便利な機能を提供するアプリをリリースしてユーザーの囲い込みやブランディングに役立てている例も増えている。プロモーションツールや自社サービスの拡充を考える印刷会社にとってアプリは重要な武器だ。
(JAGAT 研究調査部 中狭亜矢)