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あっという間にAjaxゾロゾロ、Web2.0に向けエンジン始動

みなさん、GoogleMapで楽しんでますか? マウスで地図や航空写真・衛星写真をぐりぐり動かす醍醐味を味わうと、なぜ今までそういうアプリケーションがなかったのか不思議に思うくらいである。地図のアルプス社もインターネットを利用して最新の地図情報を提供するASPサービスProAtlas MapExpress(プロアトラス マップ エクスプレス)を2006年7月24日)から開始した。これは有料の地図サービスだが、地図情報投稿サイト「みんなでつくろうYahoo!地図情報」の地図データと連動している。

国土交通省の航空写真画像情報所在検索・案内システムにもジクー・データシステムズのAjaxを用いた高速地図ビューアQuadrix ScriptBrowserが採用され、一般公開された。政府・自治体の各機関・組織が保有する40万枚 以上の航空写真を、撮影年代や撮影高度など考慮して統合的に検索可能にし、検索結果から航空写真の保有機関・組織のサイトに接続している。
・国土交通省国土計画局 「国土情報ウェブマッピングシステム(試作版)」
・国土交通省国土地理院 「空中写真閲覧システム(試験公開)」
・三重県 「三重県森林GIS」
・東京都武蔵野市「武蔵野市航空写真(公開)」
・岐阜県美濃加茂市「美濃加茂市 住民公開GIS」 「美濃加茂市 航空写真全図」
などがあるという。

地図の分野はGoogleに刺激されてAjaxゾロゾロという状況になりそうだ。Ajaxの最初の文字の由来となったAsynchronousは一般に非同期と訳され、JavaScriptのHTTP通信機能でWebサーバとの間のデータのやり取りをできるようにするものを指す。Ajaxは別に地図のためにあるものではないが、Web2.0が話題になるとともに見直されている技術で、今後のWebアプリケーションの一つの柱になると思われる要素である。それは今までのWebが、「サーバから送られて表示されたものを見る→クリックして次を要求する→サーバから送られて表示される」ということを交互に繰り返していために、クリックするたびに1秒内外かかって画面の描き直しが行われるのを利用者は待たされていたのが、Ajaxでは、JavaScriptの機能を使ってXMLなどのデータのやり取りをスムーズに行えるからである。

今までWebアプリケーションの使い勝手は、PCにインストールされたプログラムの使い勝手とはかなり異なるもので、PCのソフトならばマウスで何かを掴んでグリグリ動かせるものが、Webでは連続的にできないとか、画面への操作をするのにキーボードをバンバン打って使うことができないなどがあった。これはヒマ潰しにWebを見ているならガマンできても、たとえばコールセンターなどで顧客から電話を受けながらWeb上のガイド情報を参照するなどのビジネスアプリケーションでは待ったなしなので、一般のPCアプリケーションとかWebではないオンラインアプリケーションのような応答速度が望まれる。

Webにはアプリケーション間の連携の容易さがあったのに、ユーザインタフェースが限定されていた。しかしブロードバンドとAjaxでDesktopアプrケーション並みの使い勝手になるとすると、これからのビジネスアプリケーションもどんどんWebで行われるようになるのではないかと考えられる。事実、2005年の愛地球博ではXMLコンソーシアムが、Web2.0という名前を冠してはいなかったが、前述のような可能性を示す実験をされていた。

そのXMLコンソーシアムの野村直之氏が、2006年7月31日(月)に、ビジネスに活かすためのWeb2.0をテーマに、短期間・低コストで多種多様な業務支援機能を提供できるWeb2.0の技術要素や、企業等での知的生産性の向上、新たなビジネスを創出するために必要な要素を紹介する。ややもすると、エンドユーザの視点でのみ考えがちなWeb2.0であるが、その仕組みはビジネスそのもの、またIT産業の構造をも覆すほどのものであることを意識すべきである。

関連情報 日経ITPro Web 2.0 for Enterprise

2006/07/24 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会