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ユニバーサルデザインと印刷--印刷物にユニバーサルデザインを導入 その2

小川印刷株式会社 ユニバーサルデザイン事業部 部長 渡辺慶子

前号に引き続き、ユニバーサルデザイン(以下UD)と印刷の関連を考察します。

今までの印刷物と何が違うの?

一番の違いは、印刷物を「利用者視点」で設計することです。
今までは、お客様からの仕様書どおり制作することが多かったのではないでしょうか? 発注者の意見や、デザイナーの好みが優先されることも多いようです。
…が、印刷物を使うのはだれでしょうか?
何のために制作するのでしょうか?
UD印刷で重要なことは、実際の利用者から事前に意見を聞き、最適設計をすることです。また、制作途中や完成後、利用者評価を受け、工夫を重ねることが、次のステップへつながるのです。


▲従来の仕様書だけに頼る、一方通行の制作を見直し、利用者の意見に耳を傾けた印刷設計が必要です。制作者自身も工夫を行うことが、大切なプロセスです。

印刷物=情報伝達の一部です。

皆さんは普段、知りたい情報や興味ある情報をどのように入手していますか?

「新聞、雑誌、書籍で読みたい」
「ホームページで探したい!」
「目が不自由なので音声で聞きたい…」

など、多様な情報媒体があります。

多くの人に、必要な情報が届くためには、広い視野での媒体選定が重要です。印刷物を情報の一部と考え、効果や機能を上げることもUD印刷のポイントです。

選べることが、大事なんです!

わたしたちは、食事でも洋服でも、自分の好みのものを選んで生活しています。
情報だって、自分に合った方法を選びたいですよね! いろいろな情報媒体をあらかじめ用意することが、大切ですね。

…次号からは、実際のUD印刷事例をご紹介していきます。

印刷物にユニバーサルデザインを導入 その1
ユニバーサルデザインって何? その3
ユニバーサルデザインって何? その2
ユニバーサルデザインって何? その1

『プリンターズサークル』8月号より

2006/08/02 00:00:00


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