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JDF/EC研究会

―印刷物受発注のEC(電子商取引)化に向けて―

申込書はこちら     印刷用パンフはこちら

主催  社団法人日本印刷技術協会

開催日時  
  2006年10月より翌年3月まで、毎月1回  計6回開催

JDFと電子商取引とはイメージとして結びつかないかもしれませんが、CIP4では、印刷物の電子商取引については、PrintTalkとJDFを用いて行うという枠組みができつつあり、すでに実証実験の事例もあります。
本研究会では、JDF/PrintTalkの仕様を学びながら、日本の商習慣や各印刷会社の実情に適した印刷物受発注のECモデルを研究していきます。

*JDF
Job Difinition Formatの略称。CIP4(http://www.cip4.org/)が提唱する、XMLベースの印刷業界の標準電子伝票フォーマット。

*PrintTalk
BtoBの電子商取引の標準規約cXMLに準拠した印刷物の商取引用標準規約。現在は、CIP4で管轄している。http://www.cip4.org/documents/printtalk/index.html

内容

  • XMLの基礎(参加者の希望による)。
  • JDF/PrintTalkの仕様書を「いろは」から読み解きます。
  • 標準的な印刷物仕様書を検討し、その印刷仕様のJDFによる表現を検討します。
  • 印刷物仕様書のJDF記述・編集ツールを作成します。
  • 欧米での出版社と印刷会社間の先進事例を分析します。
  • PrintTalkとJDFを利用した印刷物受発注のECモデルを検討します。
  • ECモデルを検討するためにプロトタイプを開発(仕様検討)していきます。
    (※ただし参加者が直接プログラミングをするわけではありません)

背景

  • デジタル化による社内合理化をさらに顧客サービスの向上に結びつけます。
  • Web to Printなど新しい受発注形態が生まれつつあります。
  • 官公庁/地方自治体では、さまざまな問題をはらみつつも電子入札に向けて進みつつあります。
  • 得意先には、価格の不透明性に対する不信感があり、透明性の向上が求められています。
  • 新しい取引モデルを提案することで、業界の地位向上につながります。

特典

  • 参加者はJDF1.3仕様書の日本語訳(第1章〜第6章)を(株)プリンテクノより格安な価格(3万円税別)で入手することができます。
  • 開発ツールは、すべてフリーウェア環境で作成しますので、参加者はツールを持ち帰り、自社の事情に合わせて、さらに改良していくことができます。
  • PAGE2007コンファレンスMISトラック全6セッション(17,000円×6 = 102,000円相当)に参加できます(1社1名)。

趣旨

経済産業省が実施した「平成17年度電子商取引に関する市場調査」によると、日本におけるBtoB-EC(企業間電子商取引)市場は、224兆円(インターネットによる商取引+VANや専用線などによる商取引)であり、電子商取引化率は20.6%となっています。業種的には、輸送用機械や電気・情報関連機器を中心にあらゆる業種でEC市場が拡大しています。

一方で、印刷業界をみると電子商取引は名刺などごく一部の品目にとどまっています。印刷物の電子商取引が困難な理由として、(1)複雑な印刷物の仕様をデータとして表現するのが困難。(2)発注前に仕様が確定しないことが多い(発注後に仕様変更が頻繁に起こる)などがあげられます。

しかし、Web-to-Printや官公庁・地方自治体の電子入札の動きに見て取れるように、今後、印刷物の受発注においてもEC化の方向に動くことはほぼ間違いありません。
印刷業界として、このまま手をこまねいていては、得意先に主導権をとられて言われるがままといったことになりかねません。逆に、印刷業界側から先手を打って、業界標準と呼べるようなECの枠組みを提案することで、顧客サービスの向上、取引の透明性の向上、ひいては業界全体の地位向上につながるのではないでしょうか?

日本でのJDFの取り上げ方は、生産の自動化や作業実績の自動収集といった面ばかり強調されているように思われます。そのため、印刷機をはじめとする生産設備をすべて最新機種に更新しないと効果がでない、あるいは新しい設備を買うと自ずとJDF対応になっているのでユーザ(印刷会社)があえてJDFを意識する必要はないといった見方があります。

しかしながら、JDFのコンセプトはもっと幅広く、クレオジャパン社が「発想から発送まで」と表現したように、印刷物作成のワークフローをトータルにカバーするものです。

したがって、今後の印刷会社のあり方やビジネスモデルを考えるうえで、JDFを理解し自社での活用の仕方を考えることは大変重要ではないでしょうか。
そこで、JAGATでは印刷物の受発注に焦点をあてたJDF研究会を立ち上げることといたしました。


研究スタッフ

JAGAT客員研究員  岸 和孝氏
コンピュータメーカーでOS開発に従事した後独立。
現在はコンピュータ関連の調査・執筆活動に従事。
JAGATのSGML/XML関連各種セミナーの講師も務める。
(参考URL:http://www.jagat.or.jp/sgml/mokuji.htm

(株)プリンテクノ 代表取締役 木村哲雄氏
元キヤノン株式会社 BJプリンタ商品企画部長、2004年退職後2005年5月に同社を設立。 プリンティング全般の技術コンサルタント及びハード、ソフト、ソリューション開発を行う。
JDF国内普及を目指して、関連情報の日本語訳(JDF1.0〜1.3、PPF、PJTF他)を行う。 2006年6月よりJAGAT客員研究員。
(URL:http://printechno.com/

JAGAT 研究調査部 花房 賢(兼 事務局)


【提供ツール】

○PrintTalk/JDF Viewer
PrintTalk/JDFで表わされた取引データ(XML形式)をツリー構造で閲覧できます。PrintTalk/JDFの要素名、属性名、属性値の和訳機能を備えます。これは開発・教育用のツールとなります。
○XML Schema Editor
PrintTalk、JDFなどのXML Schema(文書型定義)をツリー構造で閲覧/編集できます。これも開発・教育用のツールとなります。

【開発ツール】

研究会のなかで仕様を検討していきながら、2007年3月の研究会終了時に完成予定となります。検討用のプロトタイプは事前に用意いたします。

○印刷物の電子受発注支援ツール「EPT」
EPTとは、Electronic Purchase Toolの略称で、「電子的購買ツール」という意味です。ちなみにeptは「有能な」「効率の良い」という意味の形容詞でもあります。

EPTの対象となる業務範囲
  • 発注側における印刷物の見積り依頼・購入注文に関わるデータ入力。
  • 発注側と印刷業者側との間のデータ交換。
  • 発注側における発注実績データベースへの蓄積とその参照・引用(検討中)。
  • 印刷業者側における仕様確認、詳細仕様の追加、見積り・再見積りに関わるデータ入力。
    ※ただし、見積り計算は別のツールによる(=EPTの仕様には含めない)。

主な仕様
EPTは、発注側の見積り依頼・購入注文を扱うEPT for Buyer と印刷業者側の仕様確認、詳細仕様の追加、見積り・再見積りを扱うEPT for Printer に分かれる。
EPT for Buyer と EPT for Printerは、それぞれ所用のフォーム(帳票形式の画面)に合わせて印刷物の仕様情報等を入力して取引データ(XML 形式)を生成する。取引データは、SOAP(TCP/IP)でデータ交換できる。

【ツール環境】

  • 実行環境       Windows 2000 / XP, Macintosh OS X, Linux
  • 開発ツール    xfy(ジャストシステム) 参考URL:https://www.xfytec.com/
  • 記述言語       XVCD(XSLを大幅に拡張した新規格,W3Cへの提案時期は未定)
  • データベース  PostgreSQL(EPTで発注実績データベースに使用)

    *基本的にすべてフリーの環境で開発、動作します。

対象

  • JDFに関心のある印刷会社、SIベンダ、メーカなどのシステム系技術者
  • Web-to-Print や得意先、外注先とのECモデルを検討されている方
  • 自ら問題意識を持って、積極的に参加していただける方

開催日時

  第1回 2006年 10月  5日(木)  13:00〜17:00
  第2回 2006年 11月  8日(水)  13:00〜17:00
  第3回 2006年 12月  7日(木)  13:00〜17:00
  第4回 2007年  1月 11日(木)  13:00〜17:00
  第5回 2007年  2月 22日(木)  13:00〜17:00
  第6回 2007年  3月 22日(木)  13:00〜17:00


会場
 社団法人日本印刷技術協会研修室
 東京都杉並区和田1-29-11
 地下鉄丸の内線 中野富士見町駅下車 徒歩5分

受講料(税込)
  JAGAT会員  252,000円 / 一 般 336,000円

  オプション
  JDF1.3仕様書の日本語訳【第1章から第6章】(CD-ROM版)

   31,500円  (株)プリンテクノ提供


定員   20名


申込み
 申し込み書をプリントアウトし、必要事項をご記入の上FAXでお申し込み下さい。
 お申し込みが確認され次第、参加証を送付いたします。
 申込先/社団法人日本印刷技術協会 販売事務
      FAX.03-3384-3481  tel.03-5385-7185

 内容の問合わせは下記へご連絡ください。

 社団法人日本印刷技術協会 研究調査部 花房(はなふさ)まで
    Phone: 03-3384-3411/Fax: 03-3384-3481/Email:misinfo@jagat.or.jp


 

2006/08/30 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会