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印刷関連市場、資材統計から見る景況

市場動向

書籍雑誌推定販売金額は、4月の前年同月比が8.7%減、5月が5.0%増、そして6月が4.4%減と、書籍の動向次第で大きく揺れ動いている。書籍は『ダ・ヴィンチ・コード』、メディアミックスや中高年向けヒット、あるいは『国家の品格』などのロングセラーが引き上げ役になっているが、それでも6月は2.0%減である。5月のプラスは「『ハリポタ』効果」によるもので、その影響の大きさが改めて感じられる。雑誌は5.8%減であった。2006年上期は書籍が1.7%増、雑誌は4.6%減、全体は1.8%減であった(出版科学研究所『出版月報』2006年7月号)。 6月の広告業売上前年比は0.2%減でほぼ前年並み。テレビは0.6%増で、2カ月連続で前年を上回ったが、新聞(▲0.6%)、雑誌(▲3.0%)が伸びず、マス4媒体全体は0.2%減であった。SP関係では、折込・ダイレクトメールが5.1%増、交通広告が9.3%増と好調だったが、SP・PR・催事企画が12.7%減で大きく足を引っ張った。2006年上期は、全体としてはほぼ前年並みのようだ。マス4媒体、SP・PR・催事企画が不調、交通広告、折込・ダイレクトメールは好調であった(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」より)。

仕事の状況

6月の一般インキの出荷販売量前年比は1.7%減であった。平版インキは0.2%減と前年並みだが、その他の樹脂凸版インキ、金属印刷インキ、グラビアインキがすべて前年割れになったからである。 2006年上期で見ると、一般インキ合計では1.7%減で前年を下回った。平版インキは0.2%減で何とか昨年並みの水準を維持したが、その他のインキが、樹脂凸版インキ(▲2.1%)、金属印刷インキ(▲15.3%)、そして量的に多いグラビアインキが1.3%減となりマイナス幅を拡大した。 6月の印刷・情報用紙の国内出荷高前年比は0.2%増であった。5月とは逆に、フォーム用紙は1.9%増となったが、PPC、情報記録紙、複写原紙がいずれも前年割れで全体としては3.0%減であった。 印刷用紙では、非塗工印刷用紙が0.8%増、塗工印刷用紙0.6%増、微塗工印刷用紙は2.2%増であった。2006年上期全体で見ると、非塗工紙はやはり前年割れの0.7%減となったが、塗工紙は1.9%減と前年を上回った。アート紙以外が2%台で伸びたからだ。微塗工紙は6.6%と大きく伸びている。

(「JAGAT info 2006年10月号」より)

2006/10/26 00:00:00


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