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Web活用で広がる広告マンガ制作ビジネス

近年、広告や企業の冊子において、マンガが使用されることが増えてきた。しかし、ビジネス向け、広告向けのマンガ制作を行っている制作会社は少ない。

企業のサービスや商品説明、社内教育等は文書を中心に行われている。しかし、IT系のサービスや金融商品等の説明になると難しい用語や数字がたくさん並んでおり、一般の人には読んでもらえないとういことも多い。
それをマンガという形にすると、頭に入りやすい物になる。マンガという表現により、親しみやすく、判り易くすることができる。
「私たちは文書をマンガに変換します」という株式会社トレンド・プロの取締役副社長、三好裕紀氏に広告マンガについてお話を伺った。

活用事例

商品・サービス紹介マンガの事例として、本宮ひろ志先生の「サラリーマン金太郎」を使ったフォーバルテレコムのIP電話サービスがある。
また、会計ソフト「弥生」の製品説明や、生命保険の説明も制作している。
教育関係では、総務省の外郭団体の明るい選挙推進協会の「私も選挙につれていって!」という選挙の啓蒙の冊子を制作した。他に、金融広報中央委員会による中学生向けの金融教育マンガの事例もある。

ミツカンは社内報にマンガを掲載している。ミツカンでは、3年ほど前に新しい企業ビジョンを作った。しかし、社内への浸透が不十分として対策を検討し、企業ビジョンの模範となる社員の努力や成功をストーリーにしたマンガを、毎月社内報に掲載することになった。このマンガは社員からもたいへんな人気になっているという。
IR(上場企業の投資家向け情報公開)マンガも出てきた。NECリースでは株主に向けて、リース会社とは何か、NECリースとは何かということをマンガを使って紹介している。
ミツカンやNECリースでは、2次利用としてこれらのマンガを冊子にし、新卒採用者向けに配布し自社の事業を紹介している。

その他に出版向けがある。初心者・一般向けに統計学を解説するため、マンガにした本がある。統計学も数学の一種であり、ともすると数式だらけの本になってしまいがちであるが、ストーリー仕立てで判り易く順を追い、読者が主人公に感情移入しつつ学習するという書籍作りをしている。
金融工学のマンガもある。難しそうなジャンルだが、柔らかくかみ砕き、マンガをうまく使って解説している。これらは売り上げも非常に好調であると言う。
このように、ビジネスや広告、パブリシティなどあらゆる分野でマンガは活用されている。

デジタルコミックとWebアニメーション

最近では、Webで見せたい、読ませたいというニーズが増えている。
NTTコミュニケーションズの「マンガEC入門」というものがある。NTTコミュニケーションズはEC(電子商取引)システムのパッケージを販売しており、そのポータルサイトの目玉コンテンツとして、全部で8シリーズのデジタルコミックを制作した。Webで見せるため、Flashを使って「めくり」を付け見せている。
ここ半年間トレンド・プロが受注したマンガの半分は、デジタルコミックやWebで見せるマンガで、あとの半分が印刷物である。

これをもう一歩進めると、アニメーションになる。Flashを使い、サイズも非常に小さくネットで配信しやすい。また、ネットの長所として、申し込みページ等に誘導することができる。デジタルコミックも、アニメーションと同様に最後は資料請求ページにリンクする形で作っている。

トレンド・プロではアドマンガドットコムというサイトを開設している。トレンド・プロには営業マンは存在せず、Webだけで営業している。現在、受注の9割以上はこのサイトからの問い合わせで、残りは過去に仕事をしたクライアントや広告代理店からの紹介である。
このサイトには過去の作品の一部、約300件を掲載している。官公庁系や大企業のものも数多く手がけている。また、広告マンガコーナーとして、なぜマンガがいいのかを説明したりしている。

(概要をJagat Info 2006年11月号、詳細報告はテキスト&グラフィックス研究会会報 Text & Graphics No.249に掲載しています)

2006/11/10 00:00:00


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