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InDesignを利用したバッチ処理組版(テキスト&グラフィックス研究会速報)

凸版印刷株式会社 情報・出版事業本部ソリューション開発部 課長 田原 恭二 氏
ソリューション開発部 斎藤 雅宏 氏

次世代型CTSの概要

凸版印刷では、1970年代よりCTS(Computer Typesetting システム)と呼ばれるコンピュータ組版と電算写植による印画紙・フィルム出力を実用化していた。
このシステムには、凸版印刷の自社フォントが搭載されており、主にバッチ処理による書籍・文庫本など大量ページの組版出力、豊富な文字種を活かした辞書・事典の組版出力などに利用されていた。

近年、DTPの高性能化などのため徐々に社内利用が少なくなっており、次世代CTSとして、InDesignをベースとしたシステムとして再構築をおこなった。
CTSで使用していた高機能な組版機能や判断組み機能をInDeisgnのPlug-inとして搭載、XMLデータ活用によるクロスメディア展開の確立、自社フォントのOpenType化を行っている。

InDeisgnの組版機能は利用せず、独自コンポーザをPlug-inとして開発し、搭載している。例えば、インライングラフィックによる行間のズレなども発生せず、オペレータの手修正が不要である。
また、索引・ノンブルの自動抽出や柱の自動生成、段抜き見出し、条件組みなどが可能であり、完全自動化を実現している。
株価情報誌やテレビ欄の自動組版にも、絶大な効果を発揮する。

XML形式によるクロスメディア展開

前処理として編集されたデータは、出版コンテンツ向けに独自に考案したXML形式で保存する。
このデータは、InDeisgnの入力形式でも、出力形式でもある。コンテンツ情報とレイアウト情報の両方の属性が含まれており、コンテンツ情報だけを抽出して他の媒体やデジタルメディア向けの転用も容易である。
このデータはアプリケーション依存ではなく、汎用性の高い形式であるため、将来InDeisgnがバージョンアップしても影響は少ない。

2006/11/16 00:00:00


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