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テレビ放送+ケータイ⇒電子クーポン

ワンセグ受信端末次々登場

ワンセグ放送の受信端末が着実に増加している。KDDIでは 、10月23日、ワンセグ対応の携帯電話の累計契約数が販売開始からおよそ10ヵ月で100万を突破したと公表した。NTT ドコモ、ソフトバンクも冬商戦に向けてワンセグ対応携帯電話の新機種を次々と投入。またウィルコムの携帯端末や、PC、車載テレビに対応したワンセグチューナーも新製品が出回り始めた。

調査で浮かび上がるユーザー

ワンセグの本放送が開始されてから半年以上経過したが、ユーザー側のワンセグへの期待度はどの程度であろうか。
インターネットコムとクロス・マーケティングの2社は、「ワンセグに関する調査」を行い、11月16日、結果の一部を公表した。調査対象は、18歳〜50代の携帯電話ユーザー300人。男女比は男性50%:女性50%、年齢別は、18〜19歳20%、20代、30代、40代、50代も各20%ずつの構成比率だ。
同調査ではワンセグを、「自分の所有する機器で視聴した」という回答者は4.0%。だが「他人の機器」、「店頭デモ」などと機器所有者を合計すると、およそ3人に1人の割合でワンセグ視聴体験があるという結果となった。ワンセグ機器の未所有ユーザーに対して導入意向を聞いたところ、「購入する予定」との回答は14.9%だった。いずれの数字も放送エリアの拡大途上で、基本的に番組が現行と同じ内容である制約を考えれば、決して低い数字とはいえまい。「購入したいが予算がない(34.0%)」などの潜在的なユーザーもいる。

イプシ・マーケティング研究所が、7月6日に公表した「携帯電話の利用に関する調査IV」(有効回答数2,114人)によると、未利用者の今後の視聴意向は52.5%。男性、若年層中心にワンセグへの関心が高く、例えば50代以上の世代で「災害時の自動TV起動」をワンセグ機能の長所のトップに挙げる(同年代の47.3%)など、性別、年代別のニーズの違いも明確に現れている。

マスコミ+クチコミの特性

一方でワンセグのデータ放送を利用した特色あるサービスも各方面から提供されている。
例えば日本テレビNTTドコモは、データ放送帯域を利用して、動画付きの電子クーポンや電子カードを携帯電話に自動蓄積させるシステムを共同開発した。ユーザーがワンセグを受信していれば、例えばテレビ映像のみを横全画面に表示している状態でも、特段の操作をすることなく自動的に受信・蓄積が可能である。この電子クーポン・電子カードは、携帯電話内のフォルダにて簡単に検索・閲覧でき、トルカ対応の読み取り端末に、ワンセグ携帯電話を店頭でかざすだけで利用できるという。

テレビ創世記、映画界では一部で存続の危機が叫ばれたが、環境の変化はあれど両者は良好な関係を保ち、現在に至っている。マスコミ+クチコミの特性を活かして、ユーザーの「トリコミ」を図る、ワンセグ放送にクロスメディアビジネスのヒントがあるように思える。

関連セミナー「ワンセグ放送にみるクロスメディアビジネス」11月28日開催

2006/11/22 00:00:00


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